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2025.09.10
【執筆者プロフィール】
はじめまして。さわおと申します。2022年に家を建てよう! と決意をし、紆余曲折を経て2024年の夏にようやく新居へ引っ越すことができました。引っ越す頃に息子も生まれ、家族3人で楽しく暮らしています。
長い家づくりの中で経験した失敗や大変だったこと、そしてそれをどうやって乗り越えたかについて、連載を通して家づくり中の方へ届けることで、誰かの悩みや問題を解決できると嬉しいなと思いながら、この記事を書いています。
Blog: https://xshmblog.com
第23回 階段の動線と空調【夢のマイホーム奮闘記】
戸建て住宅の約8割が2階建てと言われています。わが家も例に漏れず、1階の形がそのまま2階に重なる「総2階」と呼ばれるシンプルな構造です。
平屋でない限り必ず現れるのが階段。単なる「上がるための通路」とはいえ、間取りに大きな影響を与える要素であり、設計をおろそかにすると生活動線や安全性に直結します。
階段は「蹴上げ(1段の高さ)」や「踏面(足を乗せる奥行き)」だけでなく、形状や配置、確保できる面積など複数の条件が絡み合います。そのため、実際に計画をしてみると、「階段さえ無ければ全てうまくいくのに…」と思うことも少なくありません。
理想の階段
私が思う理想は「折り返し階段(踊り場のあるU字階段)」です。踊り場がフラットになっており、安全性が高く、寝ぼけていても踏み外すリスクが少ないのが魅力です。
ただし、踊り場部分の段差が無い分、蹴上げを大きくして折り合いをつけるか、もしくは階段を伸ばすためのスペースを必要とします。30坪未満のわが家では面積的に採用できず、現実との折り合いをつける必要がありました。

わが家の階段スペースにフラットな踊り場のある階段を置くとこんな感じに…より広いスペースが必要になり廊下にはみ出してしまいます。

回り階段であれば、希望のスペースに収まります。
採用した階段と検討したこと
結果的に選んだのは「回り階段」です。折り返し階段の踊り場を、6段に分割したタイプで、30坪前後の家ではよく見られる形式です。一般的ではありますが、実際には細かい検討事項がいくつもありました。
■窓
わが家の場合、階段が家の北側に配置しており、東・南・西側には別の部屋があります。そのため、明るさのための窓を取るとすると北側のみになります。北窓は基本的に直射日光は入ってこず、その代わり冬場の寒さの弱点になりやすいです。窓を取るかは迷いましたが、朝~夕方まで控え目な明るさを常に取れるということで採用しました。
■照明
ブラケットライトを隅に二つ採用しました。階段の上り下りに合わせて、高さを変えています。階段の照明を使うシーンを思い浮かべると、基本的に夜の寝る前や夜中に目が覚めたときのため、控え目な明るさで十分と考えました。
■手すり
手すりについては、回り階段の外側につけるか、内側につけるか、どういった形状のものをつけるか…といった悩みどころがあります。わが家では内側に、家全体のテイストと合わせてタモ材の造作手すりをつけました。踊り場は出隅の部分を中心に回ることになるので、手すりを縦に取り付けています。


窓は北に面しているため、暑い直射日光は入ってきません。照明は2カ所に。手すりは階段の内側に取り付けました。
検討したものの、採用しなかったもの
実は「階段室にエアコンを設置する」ことも検討しました。階段がリビングに面しているため、階段室に1台あればリビング側には設置せずとも家全体を空調できるのでは…?と考えたからです。断熱性能がある程度確保できているので、理屈としては十分に成り立つ計画でした。
しかし、最終的には「メンテナンス性」の問題から見送りました。高所にあるエアコンはフィルター掃除や点検が難しく、将来的に不便になると判断したためです。もし踊り場をフラットに設計できていれば、メンテナンス性の課題をクリアできたかもしれません。
階段は単なる上下の移動手段ではなく、実は空調計画においても大切なポイントです。
うまく設計すれば、移動のための通路であるだけでなく、家全体の快適さを左右する空間になります。これから間取りを検討する方は、ぜひ階段を「動線+空調」の両面から考えてみてはいかがでしょうか。