2024.06.04
この連載では、世界にひとつの自分らしいインテリアデザインを室内に。インテリアデザインの先進国イギリスで学ばれ、現在日本で活躍されている安藤さんに、ムードボードの重要性を紐解きながら、楽しくプランニングを解説いただきます。
【執筆者プロフィール】
安藤 眞代
大手インテリアメーカー住江織物にて、デザイン業務に従事。その後多数キャリアを積み、大阪にてインテリアデザインスタジオ「studio Ma」を創業。英国での経験をいかしたトータル空間コーディネートや日本では数少ないオーダーカーペットデザイン(タフトカーペット、手織り多数種類)も得意とする。
ミラノやロンドン等インテリア展示会を毎年視察し、海外トレンドレポートも多数講演。
https://studio-ma.jp/
その③Mood Board(ムードボード)の作成のポイント
その①でムードボードは、プロジェクト(家づくり)の方向性や雰囲気を視覚的に示すための、有力な手段であることを書きました。
また、その②でご紹介したエクレクティックスタイルのインテリア、そして英国のデザイナーが作る「足して美しい空間を作るインテリア」は、ムードボード無しでは、作ることは不可能です。
テーマと特徴を決める
では、そのムードボードをどのように作成したら良いか?いくつかのポイントがあります。
まず、どこを目指したいのかを把握する。
最終に作りたいインテリアのテーマをざっくりとでも頭に置き、テーマの中心となるカラー、もしくは特徴をイメージする。
そして、その素材を拾い集めていきます。最近では、さまざまなインテリアの素材がネット検索で出てきます。
ただあまり率直なワード(言葉)で検索をかけると、どこかで見たような、誰かが作ったインテリアになってしまいます。
そのインテリア写真の中で、明確に目的に合った、伝えたい物(家具、カーテンや、クッションなどのファブリック、小物)だけを組み合わせて(コラージュ)構成することで、自分らしいムードボードを作ることができます。
また、画像以外に雰囲気を表したカラーやフォントイメージ(字体のイメージ)も入れると大変効果的です。
ある程度できあがった時点で、その雰囲気、イメージに合う言葉を箇条書きで書き出し、ムードボードに視覚化すると、目指したい方向性がはっきりと見えてきます。完成後も見返して、修正・調整を重ねてブラッシュアップしましょう。
生地(ファブリック)、木などの素材を一緒に貼り付けてモードボードを作ることも、より具体的で明確になり、効果的です。
作成したムードボードは、長い家づくり、プロジェクトの間、迷いが出てもMood Boardに立ち返ることで目指したいゴールを確認、テーマがブレない、筋道が通った素敵なインテリアが完成するのです。
その④では、Mood Board(ムードボード)を活用する、ダイナミックなイギリスのインテリア・アートの展示会からデザイナー御用達のチェルシーデザインセンター、ロンドン街中ショールームなどをご紹介します。