2022.07.20
第2回 トーヨーキッチンスタイルのゼロ動線キッチン
ショールームを巡って最新の設備・建材に触れ、その特徴と魅力をお伝えする連載、第2回目は、約500坪の圧巻の広さを持つ『トーヨーキッチンスタイル』のショールーム(大阪市)にお邪魔しました。
■取材先/株式会社トーヨーキッチンスタイル
https://www.toyokitchen.co.jp
こちらのショールームでは、キッチン1台ずつに、照明・ダイニングセット・ソファをレイアウトし、LDK全体を「トーヨーキッチンスタイル」として提案されています。
全17台のキッチンが、それぞれが個性的なお宅のように演出されています。
ステンレス加工技術の強み
ショールームに並べられたキッチンを見渡すと、豊富なバリエーションのステンレスワークトップが目を引きます。硬質な素材で造られたとは思えない滑らかな曲線や照明を受けて輝くワークトップ。
実は、トーヨーキッチンスタイルは、ステンレスの洋食器を製作する会社としてスタートし、現在のキッチンメーカーへと発展を遂げました。創業当時から培われたステンレス加工技術によって、さまざまなデザインのステンレス材が自社内で、企画・製造できることが強みだそうです。
ステンレスは頑丈な上に、厨房や医療施設でも採用されるほど衛生面でも優れている素材。ですが一方で、金属の工業的な見た目がリビング・ダイニングのインテリアには馴染みにくいという欠点も。
そこで、ステンレスの堅いイメージを払拭するため、インテリア性を高めることに注力されてきたそうです。それらが、このショールームに並ぶラグジュアリーなデザインのキッチンたち。
こだわりは見た目だけではありません。キッチンづくりで一貫して大切にされてきたコンセプトは「調理のしやすさ」。これまでのステンレス加工技術を駆使して開発されたシンクが生み出す「ゼロ動線キッチン®」についてお聞きしました。
ゼロ動線キッチンを実現するシンク①「パラレロシンク」
洗いもの・調理・盛り付けが一歩も動かずにできるよう設計された「ゼロ動線キッチン」。ショールームには、実際に料理をして、ゼロ動線が体感できる「プレゼンテーションルーム」があります。
ゼロ動線の仕組みを実現するために、創り出されたのはオリジナルの高機能シンク。こちらでは進化を続けてきたシンクの最新型「パラレロシンク」を体験できます。
パラレロシンクはサイズW76xD76cm(※)の大容量で、たくさんのお皿や大きなお鍋を洗うのに便利。でも、このシンクの用途は、「洗う」だけではありません。付属のまな板と調理用プレートをシンクに取り付ける(上・下二段)と、「材料を切る、調理する、盛り付ける」が行なえる調理台に早変わり。
※パラレロシンクのサイズは、W76xD76xH25cmとW91xD91cmH25cm。
このシンクがあれば、シンクとコンロの間にあった調理スペースが必要なくなり、コンロはシンクの近くに移動。茹でる・炒める等の加熱調理も一歩も動かずにゼロ動線で行えます。
ゼロ動線キッチンを実現するシンク②「3Dシンク」
パラレロシンクが開発されるより前に、ゼロ動線の先駆けとなった「3Dシンク」。1998年に発売以来、現在も全キッチンシリーズに搭載できる人気の高いマルチ機能シンクです。
3Dシンクは、付属の調理台・まな板・マルチプレートをシンク内の縁に掛けて料理中はシンクを立体的にフル活用。上段にプレートを設置して、食材のカットや盛り付けスペースとして使い、中段では食材の準備を。その間、底段は鍋や洗いものの一次置き場に、とシンク前から動かずに「ゼロ動線」で、洗いものから盛り付けまで完結します。
そして、プレートを全部外せば、大容量のシンクで、たくさんのお皿や大きなお鍋を洗うのに不自由を感じることがありません。
配膳もゼロ動線、ダイニングテーブル一体型キッチン
料理し、食し、片付けも行なう、食事に関することがすべて行えるダイニングテーブル一体型キッチンも、ショールームで体験できます。4人が十分に食事ができる大きさのテーブル付きなら、準備から片付けまで、キッチンを囲んだ家族団らんの時間を楽しめます(iNOシリーズ CD-LAND)。
さらに、パラレロシンクの両横にコンロを取り付けた、2人で同時に調理できる2つのゼロ動線を持つキッチンの最新型も展示されています。ダイニングテーブルと一体化した正方形のキッチンは、LDKの主役となる存在感。4方向すべての面が開放された設計で、家族が集まりやすく、キッチンでの過ごし方の幅が広がります(iNOシリーズ Q-LAND)。
取材を終えて
「調理のしやすさ」を考えて進化したゼロ動線キッチンは、いろんな方向から手が届きやすい大きさで、一緒にキッチンに立つ人の作業ストレスも減らしてくれます。
人が交わる動線上に設置すると、自然とキッチンに足が向き、料理の手伝いがしたくなるのではないでしょうか。
「調理のしやすさ」だけでなく「家族全員が使いやすい」も叶えてくれるキッチン。実際の商品をご覧になれるときは、ぜひいろんな角度からの動線も確認してみてください。家の中のどんな場所に置いて、家族をキッチンに呼び込むか、間取りプランを練ることが、さらに楽しくなると思います。