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前回シミュレーションした内容について、ケンちゃんと母と3人で話し合いました。 私たち3人とも、住宅ローンについてあまりよく知らなくて、借りたらずっと同じ金額を何十年も返すものだと思っていました。選ぶ条件によって、支払利息がこれほど違うとは思ってもみませんでした。もうちょっと勉強して、家族でよく検討してから決めようと思います。 |
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そうですね。住宅ローンは、一度組むと何十年もの長い間、返済し続けなければなりませんからね。いろいろなところから情報を収集して、よく検討される方がいいと思います。 |
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実は、ケンちゃんが「住宅ローン控除」で税金が50万円も返ってくるって聞いてきたんですが、本当ですか?
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「住宅ローン控除」というのは、一定の条件を満たしていると、所得税の税額を控除してくれる制度で、控除できる金額は住宅ローン残高の1%です。ツキ子さんの場合だと、1550万円の住宅ローン残高があったとすると、15万5000円です。 |
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毎年15万5000円も戻ってきたら、助かりますよね。住宅ローンの返済額が毎月1万3000円分安くなるってことですよね。 |
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だといいんですが、そうはいかないんです。 少し考え方が複雑なのですが、毎年末の住宅ローンの残高の1%ですから、残高が減ると控除できる金額も減ります。 また、この控除は10年間だけで、しかも平成19年に制度が変更されました。
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そうなんですか。でも、ないよりはあった方がいいですよね。 |
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本当にその通りです。利息を減らす方法は、ほかにもありますよ。 |
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何ですか? |
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繰上返済はご存じですか? 住宅ローンの返済中に、まとまった金額を返済する方法です。 |
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はい。聞いたことがあります。 |
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繰上返済には2種類の方法があるのですが、「期間短縮型」だと利息を減らすのに有効ですよ。 試しに計算してみましょう。例えば、元利均等返済で、1550万円を35年間の金利3%で借りていた場合、5年目に100万円の繰上返済をしたとすると、本来支払わなければならない利息のうち133万円ほどが軽減されることになりますね。

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133万円は大きいですね! 元金均等返済を選んだときと同じくらいお得なんじゃないですか? |
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はい、その通りです。前回シミュレーションしたとき、元利均等返済と元金均等返済の利息の差は140万円でしたからね。 |
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そっか、じゃあ、あまりお得でない元利均等返済を選んでも、繰上返済すればいいんだ。 |
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ただ、早い時期に余裕資金が必要になってきますけどね。繰上返済は、早ければ早いほどお得なんですよ。 |
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5年目で100万円か。5年目といえばスミヤが中学にいく時期だから、お金がかかってきますよね。そう考えると、難しいかも。なかなかうまくいかないですね。 |
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確かに、住宅ローンにはいろいろな条件やいろいろな商品があって、混乱されると思います。ただ、その中で何よりも大切なことは、無理のない借入額にしておくということだと思います。 ツキ子さんに初めてお会いしたときから何度も繰り返し説明していることなので、ツキ子さんは十分お分かりですよね。
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はい。両親の協力がなければ、3000万円近い住宅ローンを組まなければならなかったですし、そうなれば、元金均等返済なんてとても無理でしたから……。うちは、本当にラッキーだったなぁって思います。 |
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そうですね。でも、たとえご両親の協力がなかったとしても、十分な時間をかけて十分な自己資金を準備すれば、有利な住宅ローンを選べる幅が出てきます。 それに、住宅ローンの残高が少なければ少ないほど、生活設計に予期せぬ事態が起こった場合に建て直しが可能です。 |
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そうですよね。まだ住宅ローンははっきり決めてませんけど、いろいろお伺いして参考になりました。 ここにお邪魔せず、3年前にあのまま家を買ってたらどうなってたんだろうねって、今ケンちゃんと話しています。本当にご相談してよかったです。ありがとうございました。 |
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