家づくりの先輩たち「イエマガサポーター」に聞いた成功・失敗の体験談や口コミ情報。
自分で間取りを考えてみたい人に。ゾーニングから家具配置、インテリア計画までの基礎知識。>>
新築、リフォームのプロに聞いた、間取りへの人気リクエスと施工例をご紹介。>>
要望した間取りの中で、良かったことや改善したいと感じていること。>>
まっしん はやぶさ さん
関西から関東に転職を機にお引っ越し。関西で暮らしていた分譲の戸建ては賃貸に出すものの、住宅ローンの支払いは赤字に…。さらに関東での家賃も加わって…。
それならば!と、二軒目の家を建てることに。住宅ローンをできるだけ抑え、かつ、土地も建物も満足のいく家づくりに挑戦されました。コストを抑えるコツ、納得のいくまで調べられた知識をこの連載にまとめていきます。
http://kisekinomyhome.blog.fc2.com/
イラスト:天野勢津子さん
http://amachakoubou.com/
前回で、階段下をフル活用するために悪戦苦闘しましたが、一難去ってまた一難?今度はキッチンの通路スペースの狭さが気になります。
当初、冷蔵庫の寸法を考えずに間取りに配置したことが原因です。実寸の冷蔵庫を置いて、通路を図ってみたところ、予想以上に狭くなることがわかりました。
キッチン入り口近くに冷蔵庫を配置したほうが、調理中に家族が冷蔵庫を開けて使いやすいと思ったのですが…。ちょうどシンクの真後ろになるため、洗い物をしている間は他の家族が冷蔵庫を開けるのは難しそうです。
もっと奥行きの浅い冷蔵庫があれば良いのですが、希望の大容量冷蔵庫ですと、どのメーカーでも700mmぐらいの奥行きが必要なようです。
もちろん、通路を広げるためにキッチンの位置をダイニングテーブル側にずらすことも考えました。しかし、ダイニングテーブル側も、家族がくつろいで食事をする大切なスペース。あまり狭めたくありません。そもそも、冷蔵庫の出っ張りだけのために、ダイニングが狭くなるのは、かなりもったいないやら、くやしいやら…。
しかし!同じ悩みを抱えている人がいらっしゃるものですね。ネットで「冷蔵庫のうしろの壁を凹ませる」という対処方法に出会います。
なるほど、冷蔵庫の後ろを凹ませれば食器棚と前が揃って通路がスッキリします。しかし、こんなヘンテコな間取りを請けてもらえるのでしょうか?
確かに室内のキッチンはすっきりしたのですが、当然ながら外側に壁が出っ張ってしまうことになります。家の裏側など、目立たない面であれば良いかもしれませんが、わが家の場合家の正面で顔になる部分です。、工務店に相談する前に、格好悪い外観になりそうで心配になってきました。
そこで、取ってつけたように冷蔵庫の分だけ出っ張らせるのではなく、キッチン背面をまるごとずらしてみます。これなら、外観上の不自然さも軽減できそうです。食器棚と冷蔵庫の面は揃いませんが、キッチン全体が広くなるのでむしろ好都合です。
実は、この工夫には、もうひとつの狙いがありました。このキッチンは、直接外に面する壁がなく、窓が付けられなくて困っていたのです。しかし、壁をずらすと、食器棚脇の北側壁にちょっとしたスペースが生まれました。ここに小さな小窓なら付けてもらえないでしょうか?
この間取りで、工務店に相談してみたところ、壁を凹ませる設計はあっさり問題なかったのですが、意外に小窓を付けるアイデアは、ちょっと悩ませてしまったようです。 間取りソフトで確かめても十分なスペースと実際に存在する窓の寸法で取り付けられたので安心していたのですが…。
どうやら設計の都合上、この壁に筋交いを入れる予定のようです。結局、後からこの壁に筋交いを入れない設計が可能とわかったのですが、窓を付ける位置が自由ではないのだと勉強になった一件です。
総2階にこだわる設計方針(第7回)なので、1階の出っ張りは二階にも反映する必要があります。
廊下の洗濯機とトイレスペースが外に広がるので、タンスストリート(第11回)のスペースが若干余裕が出る効果があるのかなという印象です。子ども部屋の角が凹んだ状態になりますが、棚を置いたり上手に使えば有効活用できるかな?と、まぁ大きく問題はなさそうな影響範囲です。
しかし、ちょうどこの試行錯誤のタイミングで、工務店の太っ腹社長が突然「パイプスペース」はどうしましょう?と言い出しまた。
パイプスペースとは、2階の洗面やトイレとつなぐ上下水道管の配管スペースのことです。 このせいで、1階のどこかに段差ができたり、部屋や収納が狭くなったりする場所の確保が必要な、悩ましい課題です。
「どうしても、家の中に設置が難しければ、外壁の外側からパイプを出すこともありますが、外観が気になりますよね」と言われるまで、間取りにパイプスペースの確保が必要であることを全く知りませんでした。
早速、太っ腹社長が収納やトイレの隅などに設置できないかと、場所を探し始めるのですが、できればパイプスペースで、この完成された間取りを乱されたくありません。
そこで、渡りに船となったのが、先ほど出っ張られた壁の段差部分です。外側の出っ張りが広がることになりますが、内部の間取りに影響を全く与えずスペースが取れました。ただし、工務店の太っ腹社長から、一つだけ注意事項と提案がありました。
パイプスペースがリビングの壁に面していると排水の音が気になる恐れがあるので、配管に防音カバーを取り付けたほうがよいそうです。なるほど、生活スペースのことも考えて、配管の考慮が必要なのだとこれも勉強になりました。
当然ですが、この壁の出っ張りにより、ほぼ30坪となるはずだった(第8回)延床面積が、30.8坪と微妙に拡大してしまいました。0.8坪とはいえ、坪単価で単純計算すると何十万にもなってしまいます。
結果的に、わが家の工務店が全体的なコストダウンをしてくれたので、なんとかこの間取りを採用できたのですが、内心ハラハラしていました。他の工務店でも、丸々コストダウンの工夫を考えてくれましたので、一見ヘンテコなアイディアでも諦めずプロに一旦相談してみるのが良いのかもしれませんね。
さて、これでも間取りは完成ではありません。 次回は、さらに工務店からプロの視点でのダメ出しと、予想外の嬉しい提案が! 次回もどうぞお楽しみください。
〜編集後記〜
キッチンの通路が広がって良かった!家族でキッチンに立っても狭くない広さですね。それに窓も良かった!この連載の第8回で公開した間取りをご覧いただいた読者から、こんな感想をいただいていました。『頑張って考えたかいがあったのでしょうね。でも気になる点が一つ。熱源のあるキッチンが完全に囲われた位置になりましたが、通風の工夫はどうされたのでしょう。単純にシロッコファンだけでは音や匂いの問題が付きまとうでしょうし...』
鋭いご意見…まっしんさんも気にしていた窓問題も解決し、知らなかったパイプスペースもばっちり♪ 次回は、建具にまつわるお話が登場します。建具を変えたらあら不思議…ネタバレになりますね。では次回に。
イエマガで人気のキーワード 間取り:「間取り」のもくじ >> 太陽光発電:太陽光発電のある家 >> |
キッチン:わが家のキッチンプラン >> |
土地探し:土地探しの10のコツ >> 地盤改良:調査と口コミ >> 業者選び:業者との出会い >> 構造・建材:耐震ワンポイント講座 >> |
マンガ:おうち大好き >> お役立ち:家づくりノート >> |
|||||