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まっしん はやぶさ さん
関西から関東に転職を機にお引っ越し。関西で暮らしていた分譲の戸建ては賃貸に出すものの、住宅ローンの支払いは赤字に…。さらに関東での家賃も加わって…。
それならば!と、二軒目の家を建てることに。住宅ローンをできるだけ抑え、かつ、土地も建物も満足のいく家づくりに挑戦されました。コストを抑えるコツ、納得のいくまで調べられた知識をこの連載にまとめていきます。
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イラスト:天野勢津子さん
http://amachakoubou.com/
前回に引き続き、広いリビングを維持しながら、床面積を減らす挑戦が続きます。しかし、がんばって1階の床面積を削っても、なぜか総床面積30坪までなかなか減ってくれません。
理由は「総2階」です。1階のスペースを削っても、同じサイズの2階を載せると総床面積が30坪を超えてしまいます。つまり、総2階にするならまだまだ1階が広すぎるのです。
1階の間取りで理想に近いレイアウトが見えてきた今、これ以上変更したくありません…。
「なんとか、総2階のまま面積を減らすことができないかなぁ…」
総2階でコストを抑えたいというだけでなく、2階だけ面積を減らすと外観のバランスが取れません。
「床があるから、床面積なんだよなぁ…」
ふと、そんなごく当たり前のことが頭をよぎりました。
「待てよ?床をなくした吹き抜けって床面積に数えられるのかな?」
なんと、空間演出や採光の目的ではなく、コストダウンのために吹き抜けの活用を突然ひらめきます。
吹き抜け部分の床がないだけで坪単価を節約できるという、随分都合のよい考えですが、そんな理屈は通用するでしょうか?
吹き抜けを使った間取り案が、期待通りコストダウン効果があることを願うばかりです。しかし、実際に聞いてみると工務店やハウスメーカーによってコストに関する見解は違うようでした。
吹き抜けを使わずに2階の面積を減らし、段差部分に「下屋」と呼ばれる屋根を付ける方がローコストという回答もあったのです。 総2階で吹き抜けを採用したほうが、構造や施工もシンプルになって、一律に安いと思っていたので意外でした。
もちろん、下屋よりも吹き抜けで総2階のほうがローコストという回答もあったので、狙いは間違っていないと思うのですが…。
幸い、わが家が選んだ工務店は、なんとか吹き抜けでコストを抑えてくれました。本来は、下屋よりも少し高いそうなので、間取りによっては厳しかったかもしれません。
ちなみに、後で知ったのですが、吹き抜けやバルコニーなどは面積に対して坪単価の半額を計上するというルールを採用しているハウスメーカーもあるようです。これは、建てたい会社によく確認する必要がありそうですね。
そもそもコストダウンの観点で注目した吹き抜けです。 当初は単純に、床面積の節約を意識した間取りばかりつくっていましたが、もっと有効な吹き抜けの用途があることに随分後から気がつきます。
その一つが採光への活用でした。 最初考えた吹き抜けは、南側に面していなかったのですが、せっかくならもっと採光を考慮した配置にしたほうが良さそうです。
というのも、当初予定していた土地では、南側に建つ予定の建売住宅がわが家の日当たりを遮る懸念があったのです。わずかな隣の家とのずれを利用して、吹き抜けから光を取り込めば1階の奥までの採光が期待できます。
この時点で、コストダウン目的を抜きにしても、もはや吹き抜けの採用は必要不可欠という存在になっていました。
コストダウンと採光という大義名分を得たろころで…調子に乗って、リビングの開放感を演出する2階の廊下と吹き抜けをつなげたプランへと妄想が広がります。
リビングでくつろぐ夫婦と、吹き抜けでつながった2階の廊下から子どもたちが覗き込む風景…。ハウスメーカーのパンフレットやおしゃれな住宅誌の写真にかならず出てくるイメージです。
吹き抜けにつながった廊下には、手すりを付けたらおしゃれかな? いくらするんだろう? そのそばに洗面台をおいて、眺めの良い場所で毎日顔を洗える生活ってどうだろう? とさらに妄想は膨らむばかりです。
しかし、見事に妻のNG。
2階とつながった吹き抜けでは、冷暖房効率が悪すぎるという理由です。さすが妻は、実生活のことを冷静に考えています。毎朝、吹き抜けから覗き込んで挨拶できる生活って憧れていたんですが…(笑)。
吹き抜けを廊下と繋げるアイデアは却下されましたが、室内に面する壁に窓を付けることを思いつきます。この窓を通して空気の流れをつくり、吹き抜けに差し込む光を室内に取り込むことが狙いです。妻の反対であえなく断念した、上からリビングを覗き込むこともできるかもしれません。
しかし、室内に付ける窓って、あまりはっきりと見た記憶がありません…。
工務店に「変なことを言う施主だなぁ」とか思われてしまうのでは、とちょっぴり心配ではありました。しかし、このアイデアを見せたとある工務店から観音開きの室内用窓を二連で付けては?というアドバイスをもらいます。室内用なので窓枠には木質感ある建具と色を選べるとのこと。
アルミサッシの引き違い戸のようなものを付けるしかないと勝手にイメージしていたので、この提案にはそそられます。この二連の窓を開け放てば、上下階のつながりが生まれ、開放感を感じられそうです。
冷暖房が気になるときは、閉じれば良いわけです。 なにより、設置イメージをパースで見て、一目で気に入りました。 とってもおしゃれなお家みたいではないですか(笑) 。
コストダウンのために考案した吹き抜けが、いつの間にかこんなに開放的でかっこいい家を演出することになってしまったというわけです。もう、絶対にこの家に住みたくて住みたくて仕方ない状態になっていました。
思いがけないたくさんの副産物付きの吹き抜け。これで目指す「総2階&延べ床面積約30坪の間取り」の実現にぐっと近づきました!
〜編集後記〜
広いLDKと総2階、どちもあきらめず試行錯誤の末、見つけ出した吹き抜けを使ったコストダウン。素敵な観音開きの窓を見て、もうすでに家の完成が待ち遠しいとは。家の完成までまだまだ、奮闘は続きます…(笑)。
次回は、完成した初期案の間取りの全貌を公開します。実はもうひとつ、吹き抜け以上に(?)この間取りの完成・スペースの有効活用に役立ったアイデアがありまして…そちらも併せてご紹介いただく予定です。お楽しみに♪
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