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まっしん はやぶさ さん
関西から関東に転職を機にお引っ越し。関西で暮らしていた分譲の戸建ては賃貸に出すものの、住宅ローンの支払いは赤字に…。さらに関東での家賃も加わって…。
それならば!と、二軒目の家を建てることに。住宅ローンをできるだけ抑え、かつ、土地も建物も満足のいく家づくりに挑戦されました。コストを抑えるコツ、納得のいくまで調べられた知識をこの連載にまとめていきます。
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イラスト:天野勢津子さん
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前回の子ども部屋に続き、2階の間取りの完成まで、まだいくつか課題が残っていました。
そのひとつが、妻の実家や親戚から結婚祝いにもらった立派なタンス類の置き場所です。
最近の間取りはタンス不要を前提に、各部屋にクローゼットが設置されています。そこにタンスを置くとかなり部屋が狭くなってしまいます。
子どもが小さい頃は、使っていない部屋にタンスをまとめて置いていたのですが、そんな贅沢な使い方をいつまでも続けられません。寝室にクローゼットを付けずにタンスを置けば解決しますが、やはりクローゼットも収納としては確保しておきたいのです…。
特に悩ましいのが子ども用のタンスです。兄弟共用のタンスのため、どちらかの部屋に置いても寝室に置いても、とても使いづらそうです。
同じような悩みを抱えるおうちでは、タンス専用の納戸を設計することもあるようです。しかし、そんな余裕は設計上も予算的にも我が家にはありません。
収納と言えば、ウォークインクローゼットは憧れの定番ですね。わが家ももちろん憧れていましたが、幸い当時の借家には、1階にウォークインタイプのファミリークローゼットがあり体験済みでした。
確かに、この収納はとても重宝していたのですが、自分で間取りを考えるようになって、気になるポイントが見えてきました。それは、ウォークインだからこそ必要な、クローゼットの中で人が立ったり移動したりするために必要な床スペースです。
よく考えると、この部分は収納スペースとしては機能していません。
1階リビングの間取りでも学習したように、人が立つ・通るという一つだけの用途に、床面積を使うことはなるべく避けたいところです。そこで、わが家はデッドスペースができない壁付けクローゼットを採用することにしました。
当時住んでいた借り家は、お風呂と洗面が2階にありました。 たまたま暮らすことになったこの間取りに慣れるに従って、とても便利な間取りであることに気付きます。
お風呂で脱いだ洗濯物をその場で洗濯機に入れて、洗濯が終わったらそのまま2階のバルコニーで干すことができます。
1階の洗濯機から濡れた重い洗濯物を2階まで持って上がらなくていいというわけです。 なので、洗濯機だけでも2階に置けないものかという気持ちが、ずっと頭の隅にありました。
ふとした時に、妻が「お姉ちゃんの家には、2階に洗面台があって便利そうだったなぁ」と言い出しました。妻の姉夫婦の家は、高級ハウスメーカーの立派な家で、2階の廊下に洗面台があったそうです。
その頃の借家でも2階の洗面室の他に1階玄関そばに洗面台があったので、当たり前のように2つの洗面台を使っていました。
そういえば、実家暮らしの大学生の頃に、一つしかない朝の洗面台を占領して父親と揉めたことがあります。 わが家の息子二人も大きくなって、色気づいたら朝の洗面台が取り合いになるかもしれません…。
こんな悩みや要望を抱えながらの2階の間取り検討は難航を極めます。
しかし、答えはありました!
それは2階の廊下に機能を集約した多目的スペース、その名も「タンスストリート」です(笑)。
すべての要望を叶える、このミラクルなアイディアは、第5回でご紹介した30坪の間取りのフリースペースのアイディアが元になっています。廊下をあえて広いフリースペースとしている間取りは、わが家にとっては一見無駄に見えました。しかし、これがわが家のタンス問題とピッタリはまったのです。
廊下は、まさに人が行き来するスペースです。それならば、ウォークインクローゼットの人が立つスペースも共有しちゃえないかとひらめきました。
そこで、整理ダンスと子どもダンスを廊下の両面に配置してみました。 こうすれば、廊下の床が通路としても洋服の取り出しのために立つスペースとしても使えます。
しかも、洗面台スペースまで確保!まさに廊下が多目的なスペースになりました。これなら、一つしかない子どもダンスを兄弟で仲良く共有できます。おまけに、廊下にタンスを出したので、最小限の広さの4.5畳の子ども部屋でも大丈夫と思える効果もありました。
タンスストリートの奥には、トイレと洗濯機も配置できました。これで、重い洗濯物を干すのに階段を登る必要はありません。しかも、タンスストリートのお陰で、洗濯物をしまうルートもシンプルになりました。
廊下に出れば、大人用と子供用のタンスに挟まれる状態なので、ここでまとめて洗濯物をしまうことができます。 タンスが廊下に出ている状態は、ちょっと見た目が気になりますが、2階はほとんど家族しか出入りすることはないので、まず問題ないでしょう。
洋服ダンスは、寝室の壁一面に壁付けクローゼットと並べて配置しています。これなら、人が立つスペースと寝室の部屋としてもどちらにも有効に使うことができます。 バルコニーから取り込んだ、洗濯物をクローゼットや洋服ダンスにスムーズにしまうことができそうです。
これで2階の間取りは完成です。ずっと気になっていたタンスや洗濯動線、洗面台、すべて解決しました!
残るは、1階でちょっと無理して洗面室を押し込んだ階段下…。やはり実現するにはいろいろと工夫しなければいけないようです。次回は階段下の話です。
〜編集後記〜
廊下にタンスに洗面台。まるで廊下全体がファミリークローゼットのようですね。
廊下のフリースペースを書斎・ワークスペースとして使うアイデアをは聞いたことがありますが、タンスを並べるというのは初めてです(笑)。次回の階段下の使い方も初めてかも…。お楽しみに♪
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