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まっしん はやぶさ さん
関西から関東に転職を機にお引っ越し。関西で暮らしていた分譲の戸建ては賃貸に出すものの、住宅ローンの支払いは赤字に…。さらに関東での家賃も加わって…。
それならば!と、二軒目の家を建てることに。住宅ローンをできるだけ抑え、かつ、土地も建物も満足のいく家づくりに挑戦されました。コストを抑えるコツ、納得のいくまで調べられた知識をこの連載にまとめていきます。
http://kisekinomyhome.blog.fc2.com/
イラスト:天野勢津子さん
http://amachakoubou.com/
家づくりを考えはじめた当初、「絶対、この家を超えるのは無理やわ」が、妻の口癖でした。この家というのは、当時住んでいた築15年の戸建て賃貸住宅です。
内装に痛みが目立つ点を除けば、
●延べ床約30坪
●全室南向き。目の前は広大な畑で陽当たり風通し抜群。
●1階:LDK15.25畳+和室4.5畳+WIC
2階:洋室9畳+洋室5畳×2部屋
●ウッドデッキ付き
という大変快適な好条件です。
「次の家は少しランクダウンかな…」
入居の時に大家さんからは、こだわって建てた自慢の家であることを聞いていました。寂しい予算のわが家では、張り合うようなお家を建てるのは到底無理でしょう。
理屈では、そんな風に理解していたものの…予算は限られているとはいえ、高いローンを抱えるわけです。ちょっとでも上を目指したいという欲は抑えきれません。
実は、広いリビングに憧れがありました。当時、近辺の建売では、約30坪でもLDK16畳+和室6畳という間取りが結構見つかります。
「無駄なスペースを省けば、もっと広いリビングにできそうな気がするなぁ…」
間取りを深く理解しないうちに、こんな調子で根拠なき妄想だけが膨らんでいくのでした。
とあるハウスメーカーで資金計画と一緒に(前回・前々回)、30坪の間取りプランを見せてもらいました。
わたしたち夫婦と顔を合わせるなり、「ちょうど、30坪のいい間取りを作っていたんですよ、後でお渡ししますね」と店長さんから言われたのにはちょっとびっくりです。
ハウスメーカーでは、もっと広いお家を建てる人の方が多いイメージでしたが、意外に30坪ぐらいの家を建てる人も多いのかもと勇気がでます。
メーターモジュールと尺モジュール、各モジュールで30坪の間取りをつくったそうですが、特に唸らされたのが、メーターモジュールの間取りです。
●希望の和室と連続したLDK
●全体を見渡せるリビングから和室までの配置
●キッチン横のパントリー
●リビング続きのウッドデッキ
●キッチン横の造り付けカウンター
●2階の廊下から直接出られるバルコニー
●将来壁で仕切れる子供部屋
●多様な用途が期待できるフリースペース
●たっぷり収納ウォークインクローゼット
●1.2坪の広々浴室
などなど、説明を受ければ受けるほど魅惑の要素ばかりです。 それだけでなく、とても目からウロコなテクニックも含まれていたんです。
建売の間取りばかり見てきた私にとって、広いLDKと言えば縦長や横長の形状ばかりが浮かびます。しかし、この30坪の間取りはダイニング・キッチンとリビングが角で重なるように配置されていました。
店長曰く… 「各部屋を対角線上につなげることで、奥行きと広がりをより感じることができるんです。」 と、広さを演出するための配置の工夫だとのこと。
しかも、この独特の配置で、壁がなくても自然に各エリアの独立感が得られるそうです。家族同士でもプライベートな距離感を保てる効果が期待できるのだとか。
おまけに重なった角の部分は、どちらの部屋の一部としても機能する一粒で二度おいしいお得なスペース。実面積以上に広くなった錯覚を起こさせるというプロならではの技ですね。
いい間取りづくりは、図面上の畳数ばかり追い求めるだけではないのだと勉強になりました。
梁の見える高い勾配天井、ロフトと一体化したリビング…そんな贅沢設備は、わが家には無縁だと思っていました。
これまで、ハシゴ付きのロフトがあるモデルハウスで大興奮の子どもたちをよそに、妻はあまり興味はないようでした。どうやら広い空間の冷暖房の効きが心配だったようです。
しかし、ここのモデルハウスのロフトには、興味を持ちます。
店長さん「廊下から出入りできるので、家族がいつでも誰でも気兼ねなくロフトを使えるのは便利ですよ」。
確かに、これなら収納スペースとして実用度が高そうです。お金をかけずに収納スペースを確保したいわが家に無関係ではないのでは?
このモデルハウスも30坪の家の間取りも、廊下からバルコニーに出られるようになっていて、共有の設備を特定の部屋を経由せずに利用できることがポイントなんだと学びました。
収納問題の解決なら、屋根裏収納という方法があることぐらいは知っていました。 しかし、天井をパカッとあけたら出てくる折りたたみのハシゴので登るイメージです。
しかも、屋根裏構造がむき出しの殺風景な物置スペースとばかり思っていたのですが…なんと、固定階段付き小屋裏収納と呼ぶタイプは、まるで3階のように固定階段でいつでも登り降りができるのだとか。
しかも、普通の部屋のように床やクロスで綺麗に仕上げられているではないですか!
四方が壁で囲まれているため、ロフトよりも収納力が高そうです。
店長さん「単なる収納だけでなく、シアタールームや書斎にも活用できますよ」
天井の高さが1.4mまでと制限されるのですが、屋根裏扱いで延べ床面積に換算されません。 このため、通常の坪単価よりも、格段にお安くつくれる魅惑の空間です。
広い小屋裏収納を確保できれば、各部屋の収納スペースの節約につながります。 つまり、リビング拡大計画にも大きな意味を持つはずなのです。
“家族がいつでも利用できる”固定階段付き小屋裏収納の実現
これは、わが家にとって欠かすことのできない目標となりました。
ハウスメーカーで、30坪の家で広々リビングと和室の希望を伝えると、やんわり「和室使いますかねぇ?」とよく念押しされました。
とある工務店では、「和室をなにに使うんですか?来客用ですか?年に何回来ます? 」と問い詰められて、軽く凹みます…。そんなに和室って人気ないんでしょうか…?
しかし、ここの店長さんは、
「和室があれば、子どもが散らかしても、引戸を閉めれば見苦しくなくなって来客の心配もないですよ」と。
そーなんです! このとき、貸家の和室を、まさにそのように使っていたんです! 夫婦で大きく頷いて、感激したのを思い出します。 この店長さんも同じぐらいの子どもをお持ちで、共感する部分が多かったのだと思います。
よく聞かされた和室不要論は、はじめて新築戸建てに住み替える先入観のないご家族向けの説明だったのかもしれません。わが家は、既にリビングとは別に和室のある暮らしに慣れ親しんでいましたので、不要と割り切るのは難しい考え方でした。
ローコストでと言いながら、気が付くと間取りに取り入れたいものばかりが増えていました…。すっかり感覚が贅沢になってしまったようです。
正直、予算内でなにをあきらめ、なにを希望してよいのか全く見当がつきません。 そこで、建築会社さんに提案してもらう方法を考えました。
希望と優先順位を伝えて、予算内での取捨選択をプランニングしてもらうというわけです。プロに「できないものはできない」と言われれば、現実を目の当たりにしてあきらめもつくだろうという他力本願な考えもありました (笑)。
しかし、このせっかく作成した希望仕様は、ほとんど建築会社にお渡しした記憶がないんですよね。
なぜなら、自ら間取りの検討を始めてしまったからなんです。本当は、文字の箇条書きだけではわからないだろうと、ニュアンスをわかりやすく伝えるために始めた間取りづくりでしたが、予想外に没頭していくことになりました。
次回は、素人考えで始めた間取との奮闘の様子をお送りします。
〜編集後記〜
子どもが遊んだり、お昼寝したり…なにかと便利な和室に、知らなかった固定階段付きの小屋裏収納…ほかにもカウンター付きキッチンやウッドデッキ。家づくりは選択の連続ですね。
次回は、自分で間取りを考えはじめるお父さん…なぜかこれまでたくさん見てきた建売のような、良い間取りがつくれません。これにはなにか仕掛けがあるようです。試行錯誤のうえ、理想の間取りができあがる?!間取りのお話しばらく続きます♪
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