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まっしん はやぶさ さん
関西から関東に転職を機にお引っ越し。関西で暮らしていた分譲の戸建ては賃貸に出すものの、住宅ローンの支払いは赤字に…。さらに関東での家賃も加わって…。
それならば!と、二軒目の家を建てることに。住宅ローンをできるだけ抑え、かつ、土地も建物も満足のいく家づくりに挑戦されました。コストを抑えるコツ、納得のいくまで調べられた知識をこの連載にまとめていきます。
http://kisekinomyhome.blog.fc2.com/
イラスト:天野勢津子さん
http://amachakoubou.com/
建築費の現実を思い知らされながらも(前回)、少しでも安く狂いのない見通しを立てようとしていました。しかし、注文住宅で当初想定より200〜300万円の予算オーバーというのはお約束のようですね。
見積もりを集める中で、会社ごとに独特の追加費用のルールがあることに気づきます。
例えば、
●外観の角が一定数以上は増額
↑構造が複雑になるから?
●屋根形状の変更増額
↑ 片流れは増額と安くなる場合の二通りありました。
●45坪以下の家は割増坪単価増額
↑ 坪単価が安いと飛びついたのに…。
●標準の床面積を超える坪単価は、高い単価となる。
●コンセント等の配線やニッチや造作工事費の単価の違い
↑ 地味に後で響く。
●勾配天井・吹き抜け・屋根勾配などによる増額ルール
など、会社によって微妙に異なるルールがありました。
「こんなに制限があっては不自由設計では…?」
折角の注文住宅です。契約時点で全ての希望を予想することは難しいですが、後々の余力をある程度持たせておきたいところ。何かやりたくなっても予算の都合で、何もできないのはさみしいですから…。
見積りを見て安い!と思っても、思わぬ費用が項目から抜けていることが多々ありました。
「資金計画書」という体裁になっていても、住めるようになるまでの全ての項目がカバーされているとは限りません。
「多分、後でこの項目必要って言われる気がする…」
費目の呼び方は会社ごとにまちまちだったのですが、同条件で比較できる表を自分なりに作成してみました。
特に本体工事費以外に必要なコストを把握するのに、とても役に立ちます(見積もり比較表の画像をクリックすると拡大表示されます)。
現実の厳しさを知ってヘコむばかりです。
そんな時に目に止まったのが、セミオーダータイプの規格住宅! 自由設計ではなく、決まった間取りの選択肢から選ぶ代わりに手が届きそうな価格帯です。
クロスや建具・床材の色、一部の設備は選べるので、十分注文住宅気分が味わえそうです。
「1000万円前半で、オール電化や階段付き小屋裏収納付き!しかもコミコミ価格!?」
さらに、この価格で32坪ほどの広さの間取りが選べます。ローコストな工務店でも自由設計だと、わが家の予算では30坪ぐらいが限界だったので、その広さや収納の多さが魅力です。
わが家には、もはや最適すぎる選択肢だとすっかり惚れ込んでいました…。
同時に進めていた土地探しの目処が付いたところで、まさかの事態に愕然とします。
「土地に合う間取りがない…」
実際に手配した見積り金額が、とてもお得だっただけに本当に残念です。これが、規格住宅の弱点と言えますが、仕方がないです…。
そこで、見つけ出したのが建売住宅を手がける業者の規格住宅です。 ハウスメーカーに比べると豪華さは劣りますが、意外に必要十分な仕様が満たされているのがわかりました。
さらに、なんと言っても安い!
当初もくろんでいた、1500万円以内での建築を大幅に下回ります! しかも、さすが建売が本職。選べる間取りが圧倒的に豊富です。
今度は土地にピッタリ収まる間取りも無事見つかりました。 元々建売を買うつもりで始めた家づくりです。 土地が少し予算オーバーだったので、建売仕様の規格住宅で我慢しておくのが妥当かなと、気持は自然に固まりつつありました…。
ほとんどめぼしい訪問先が尽きたころ、地元で評判の工務店に出会います。
高級そうなモデルハウスで敬遠していたのですが、クチコミの評価が高く飛び込んでみました。
「そのぐらいなら、増額無しで大丈夫ですよ」
これまで神経質に調べてきた増額ルールをことごとく無効と断言する神対応。逆にあれも付けちゃう、これも付けちゃうと言う、太っ腹な社長の対応に軽く衝撃を受けます。
何より、この工務店での楽しそうな家づくりが話を聞くほど伝わってくるんです。 しかし…、実際に見積りをもらってみると、規格住宅の価格には流石にかないません。
この工務店で建てることに憧れていたのですが、やはり手が届かないので規格住宅を考えていると正直に伝えたところ…「折角の家づくりなのに、もったいないですよ〜」 という言葉の後、様々な方法でコストダウンの提案をしてくれるではないですか!
例えば、あえてお金のかかる省令準耐火構造にすることで、火災保険を節約してトータルの予算を削減するという方法は目からウロコでした。
すっかり諦めかけていた自由設計の注文住宅が、目指せる予算規模に近づいてきました。 しかも、建売住宅仕様の規格住宅よりも大幅グレードアップというミラクルです。
さらに運が巡ってきたのか、気になっていた別の工務店から、電動シャッターや床暖房などの贅沢設備まで付いて、なんと1000万円前半の見積もりが!
評判の工務店に再度がんばってもらっても、どうしても50万円ほどの価格差が埋まらないほどお得な提案でした。
この時点で、わが家の予算で注文住宅が建てられそうなことが奇跡です。評判の工務店は諦めて、50万円安い別の工務店にしておこうと、一度は妻とも意見が一致します。しかし、気が付くと、図々しくも評判の工務店に駆け込んでいました。
「トイレや洗面台のグレードを落とすなど、なんとか減額する方法はないでしょうか」
さらに他の特典を返上してでも減額ができるなら、ここで建てたい想いを伝えます。
「なるほど、そういうことでしたか」
ずっと、硬い表情のままだった太っ腹社長に何かが通じたようです。性能に遜色ない仕様変更だけで、とうとう別の工務店と金額も並んだのです!
もう、こうなると悩む理由はありません。理想の工務店での注文住宅。もう飛び上がるほど夫婦で喜んだことを思い出します。
次回は、家族が希望する広いリビングと和室のある30坪の家ができるのか!?間取りの検討に入ります。
〜編集後記〜
工務店が見つかってよかった…。次回以降は、これまでに集めた建売や規格住宅の情報を生かして、間取り作成に挑みます。
はじめて知った間取りのあれこれ、尺・メーター、どちらのモジュールでつくるか?またできるだけリビングのスペースをとるために、どこのスペースを削ればいいのか?費用の削減の次に立ちはだかるスペースの限界…。いろんな工夫が飛び出します♪
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