まっしん はやぶさ さん
関西から関東に転職を機にお引っ越し。関西で暮らしていた分譲の戸建ては賃貸に出すものの、住宅ローンの支払いは赤字に…。さらに関東での家賃も加わって…。
それならば!と、二軒目の家を建てることに。住宅ローンをできるだけ抑え、かつ、土地も建物も満足のいく家づくりに挑戦されました。コストを抑えるコツ、納得のいくまで調べられた知識をこの連載にまとめていきます。
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イラスト:天野勢津子さん
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注文住宅と言えば、一度は体験してみたい住宅展示場巡り! ワクワク感と不安を抱えながら、融資の打診や土地探しと同時進行の活動でした。
不動産屋さんには、わが家の予算では「ハウスメーカーでは無理」と言われたけど…(第2回) やっぱり自分の目と耳で確かめたい!
というのも、「ローコストハウスメーカー」の価格を見て、これならわが家が目指す1500万円以下の建築が、いかにも可能だと思えたのです。
初めてモデルハウスに入ったときの夫婦での印象は…「ローコストで、こんな家に住めるんだったら十分ちゃう?」
ごめんなさい。すっかり上から目線で買える気になっていました。
しかし、予算を伝えた途端、ウェルカムに迎えてくれていた営業マンの態度が激変します。
「家づくりは思いもよらない費用がかかるものでして…。余った土を処理する残土処理費や、車両の出入りが難しい土地への資材の小運搬費など…」
「さらに200万円ほどは、多めに見積もっておいていただけないと…」
物腰は柔らかながらはっきり予算不足を指摘され、早々にモデルハウスを退散しました。わが家のために頭を捻ってくれると思っていたのですが、考えが甘すぎたようです。
いや、他にもっと親身に対応してくれるところがきっとあるはず!めげずに探し当てた別のローコストハウスメーカーへ。
有名メーカーの高級キッチン、サウンドシステム付きシステムバスなどの高級設備や家電製品が付いて、何百万もお得というキャンペーンが目玉です。
しかもチラシには…「本体価格380万円」
話がうますぎますよね。さすがに、この価格だけで住める家にはならないとは察しました。それでも、1000万円以内には収まりそうな気がしませんか?
気づいたときには、個室で営業さんからキャンペーンへの申し込みを迫られていまいました…。まだ、なにも知らない私たちは、すっかり雰囲気に飲まれて隙があったのでしょう。
後でキャンセルできると言う割に、その場での契約にこだわる様子に、冷静さを取り戻すことができました。この契約にはなんらかの意味があるのだろうと感じたんです。
結局、なんとかその場を切り抜けたのですが、まだ土地も融資も未確定で面倒な条件のわが家に契約を迫ってくるのは驚きです。
不動産屋さんに工務店での注文住宅の相場を聞いたことがありました。
「坪単価45万×30坪で1350万円。プラス諸費用でも1500万円ぐらいでも可能かな」
この説明で、坪単価と床面積の簡単な掛け算で、建築費用がわかると思い込んでいました。
そのまま、ローコストハウスメーカーのことを調べたのが大間違い…坪単価26.5万円や31.5万円などという数字が並んでいるではないですか!
「ハウスメーカーでは無理?これなら1000万以下でも大丈夫ちゃうのん?」
26.5万円×30坪=795万円ですよね?
大手ハウスメーカーの企業努力で格安で建てられるようになったのを、あの不動産屋さんはきっと知らないんだと、本気で妄想していた時期がありました。でも、実際訪問してみて現実を思い知らされたのが冒頭の話です。
それにしても、795万円から1700万円とかになるのか全く謎です。これでは、土地の予算を決めようにも全く見通しが立ちません。
そこで、会社ごとの資金計画書の実例を集めることを考えました。資金計画書の例を貼り出してくれている親切なモデルハウスもありました。お願いすると個人情報抜きの資金計画書のコピーがもらえるところ、断られるところもありました。
狙いをつけたハウスメーカーには、自ら作成した見積りを元に、営業マンにムリヤリ聞き取りしたこともあります(笑)。「総額は、ほぼこの見積りで良いと思います。項目で多少の違いはありますが…」 若干意味深な反応で油断できませんが、この返信から1500万円でも建てられそうなハウスメーカーが見つかったとタカをくくっていたのですが…。
ムリヤリ質問攻めにしたハウスメーカーに、後ほど正式見積りをもらう機会がありました。勝手な予想も営業マンが認めてくれていたので、正直かなり期待していたんです。
ローコストとはいえ、住宅展示場のハウスメーカーのお家が予算内で! 妄想は膨らむばかりです…が、しかし! 届いた見積りは150万円以上もオーバー!
小屋裏収納付きのキャンペーンにも惹かれていたのですが、そのお得感などぶっ飛びました。
注文住宅の価格構造を理解していたつもりになっていましたが、何百万も予想が外れるとは…。恐ろしい世界です。 これが、当初不動産屋が住宅展示場のハウスメーカーで建てるのは難しいと言っていたことなんですね。
いくつかハウスメーカーをまわるうち、各社の特徴がある一方で、標準仕様に結構なばらつきがあることに気が付きました。
よーく見ると、各社の考え方が見えてくるような気がします。
(A)キッチンやお風呂、外観などわかりやすい豪華さを感じられる仕様に重点を置く会社。
(B)断熱材や耐震構造など家としての基本性能に重点を置く会社。
(C)外壁材や屋根材、断熱仕様などは、建売住宅同等でローコスト志向の会社。
(D)電動シャッターやカードキーなどの便利機能を取り入れている会社。
(E)1・2階トイレ・和室・キッチン収納・照明器具やカーテンなど幅広くコミコミな会社
など…
困ったことに、標準仕様の微妙な違いが比較を難しくしているんです。安いなぁと思った会社でも、他社と条件を合わせるとトータルでは高くなることもよくあります。
「見積書の金額だけで一喜一憂してちゃだめだ!」
そこで、標準仕様の要素別比較表を作って見比べてみました。
各社の優位な仕様に目印を付ければ、どの標準仕様が充実しているのかも一目瞭然!
ハウスメーカーでは、陶器瓦や重厚感ある外壁材を選択できることが多く、高級感が得られそうです。また省令準耐火構造や長期優良住宅などが標準で安心感も高いですね。ローコストとはいえさすが大手のハウスメーカーはやはり充実しています。
安く見える工務店では、その分高度な対応が省かれていることがあるので要注意。オプションで追加すると、結局ハウスメーカーと変わらない合計金額になることもありました。
この頃は、建築費の規模感を把握したくて本当に必死でした。
建築費の目処を立ててから、土地の予算を決めようと思っていましたが、後から建築費が大幅にオーバーするようでは、安心して土地を選べません。
でも、一旦素敵な建物を知ると、なかなか仕様も金額も落とすのが難しいものです…。
次回は、思い知った現実の中での妥協点を模索しながら工務店を決めるまでのお話です。
〜編集後記〜
突然はじまりました「編集担当からのひとことコーナー」です。さて、予算内に家が建つのか?情報収集に努めるまっしんさんですが、次回はさらに、なににいくらかかるのか?住めるようになるまでの全ての項目が解る「見積もり比較表」をつくります(こちらの表もご利用いただけるエクセルファイルを準備しております)。
そして、厳しい現実に直面したまっしんさん…注文住宅はやっぱり無理なのか…あきらめかけたときに!続きは次回に♪5月24日(水曜日)公開予定です。
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