家づくりの先輩たち「イエマガサポーター」に聞いた成功・失敗の体験談や口コミ情報。
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まっしん はやぶさ さん
関西から関東に転職を機にお引っ越し。関西で暮らしていた分譲の戸建ては賃貸に出すものの、住宅ローンの支払いは赤字に…。さらに関東での家賃も加わって…。
それならば!と、二軒目の家を建てることに。住宅ローンをできるだけ抑え、かつ、土地も建物も満足のいく家づくりに挑戦されました。コストを抑えるコツ、納得のいくまで調べられた知識をこの連載にまとめていきます。
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イラスト:天野勢津子さん
http://amachakoubou.com/
前回で、二軒目を住宅ローンで買えそうとわかりましたが、当然のように建売住宅から選ぶつもりでした。
ところが、建売住宅を探しに訪ねた不動産屋さんは口々に注文住宅を勧めてくるではないですか…。
「注文住宅って、相当予算があるよほど幸せな家庭向けですよね?」と、得体のしれない夢の世界というイメージがありました。
それでも、さらに話を聞くと、「住宅展示場に並ぶハウスメーカーだと厳しいけど、地元工務店なら、ご予算でも大丈夫です!」と言うのです。
まさか建売住宅と変わらない予算で、思い通りの間取りの家を建てられるなんて!
そんな都合よく土地が見つかった上に注文住宅なんて、机上の計算どおりの上手い話があるんでしょうか?
早速、公開されている土地を眺めてみても、わが家の願う広さや価格の土地なんて全然見つかりません。そこで、私が考えた作戦は、売り出し前の建売の情報をいち早く入手することです。
建てる前に契約できれば、多少のカスタマイズができるはず!これなら、注文住宅気分を味わうことができるかもという魂胆です。
実際に建売業者を訪ねると、本当に未公開の分譲計画が出てきて大興奮! 土地だけを譲ってもらえば、好きな工務店で建てることもできそうでした。結局、かなり割高で手が出ませんでしたが…。
区画整理された新規造成地が、周りも新築ばかりで綺麗な街並みに住めるところも魅力ですよね。
突然、近所の大きなお屋敷が解体されて更地になったり、造成工事がはじまって開発計画をお知らせする白い看板が立っていることを見かけたことはありませんか?
この看板が立った時点で建物の計画が確定していることも多いのですが、一部の土地が売りに出る場合もあるので調べてみると良いかもしれません。
とある工務店を訪問したときに「お客様が散歩して土地を見つけてくることがありますよ」と聞いたことがありました。この話を覚えていたのか、妻から見て欲しい土地があると突然「空き地」に連れて行かれました。
それは、まさかの東南角地!しかもかなり広い理想的な造成地ではないですか!しかし、売り出し中の看板もなく、かなり前に造成したまま放置されているような雰囲気です。
まぁ、こんな魅力的な物件が万一売りに出てても、わが家の手が届くわけがありませんよ… とはいえ、更地のままの理由が気になる気持ちは押さえられません。 図々しくも、ダメで元々と不動産屋さんに相談です!
売りに出てない空地の調査は、商売になるかどうか不確実ですからね。こんな面倒な作業は、不動産屋さんによって得意不得意があるのかもしれません。
後日、期待も虚しく「売る予定はない」と無情な回答が届きます。聞けば、約40坪もの憧れの広さだったらしいんですが…。この不動産屋さんに興味本位で手間をかけさせたことにも罪悪感を感じていました。
それから後日、仲介業者からまだ一般公開されていない建売計画の紹介がありました。 建売物件である一次分譲地よりも、土地だけで売り出される予定の二次分譲地に目をつけました。一等地は、北西ながらも約32坪の角地の整形地という好条件です。
幸い未公開の売り出し前だったので、さまざまな工務店とやりとりしてプランを練ることもできました。 強気の値付けだったのですが、角地は間取りの自由度も高く、その魅力を実感させられます。
なんとか建築費を抑えて予算内に収められる目途が立ったところで…
「もうこんな土地なんて出てこないのではないか?」
と、焦っていたのかもしれません。ここで、なんとも致命的な失敗をしてしまったのです。
実は、この物件を紹介してくれたのは仲介手数料無料の業者だったんです。
しかし、現地販売会が始まったとき、そこには他の仲介業者が…。こともあろうに現地を訪ね、その業者から物件の案内を受けたうえに、不用意にその場でアンケートに答えてしまったのです。なんと、この行為がきっかけで、最初の業者から仲介手数料無料で買えなくなってしまいました。
不動産業界では最初に現地を案内された業者から買うルールがあるのは一応知っていました。最初にもらった業者から買えると高をくくっていたのですが、買う気のない業者に名前を伝えることは後々大変なことになると思い知らされた出来事でした。
紆余曲折の末、北西角地の購入を決意しました。
正直、「高い」「少し希望より狭い」「南向きではない」「駅から遠すぎる」など、不満は残る物件です。
でも土地選びは「掘り出し物はない」「100点満点ではなく80点で」と良く聞かされました。なんとか妻も説得し、いよいよ契約を二日後に控えた夜を過ごしていたときです。
私の携帯に、迷惑をかけたあの不動産屋さんから久しぶりに電話が入ります。
「約40坪の東南角地の土地ですが、ようやく地主さんが決意してくれました」
なんと驚くことに一度断られた私たちが見つけてきた40坪の南東角地のことではないですか! わが家があきらめたあと、ずっと不動産屋さんは交渉を続けてくれていたのです。
しかし、当然ながら好条件な土地、わが家の予算を軽々オーバーの金額提示でした。値引きの可能性をにおわせますが、買える保証はないですよね。 北西角地の契約をドタキャンすると不動産屋と工務店に迷惑をかけ、どちらも買えなくなってしまいかねません。
断腸の思いでお断りした後、すぐに折り返しの電話が入ります。
「32坪の土地と同じ金額で売主さんOKです」
まさか!軽く数百万の値引きではないですか! 東南角地の40坪が北西角地の32坪と同じ金額と言われて心穏やかでいられるでしょうか。
その場では、やはり無理ですと断ったものの、一睡もできない夜を過ごすことになりました。
伸るか反るか。一晩悩んだ末、大英断のための最後の一押しのつもりで、一つのわがままを昨日の不動産業者にぶつけてみました。
「わが家が見つけて情報提供した物件なので、仲介手数料を半額にしていただけないでしょうか」
図々しいとは思いつつも、言ってみるものです。わが家が自ら見つけて来たことを尊重し、この申し入れまでも快く了解してくれたのです。
これで、もう断る理由もありません。ぜひ買いたいと心を決めたその矢先です。
「昔、この土地を買いたいと言ってた人がいるので、少し確認の時間をください。」
本当に売ってくれる気があるのでしょうか…。
結局、その人には購入意向はないことがすぐわかりましたが、返事が来るまで生きた心地がしませんでした。
私はあまりの急展開に、失敗しないか選択が間違っていないか心配でたまりませんでした。 しかし、よく考えれば地主さんも私と同じ個人です。気持が揺れ動くのは同じなのでしょう。
しかし、そんな不確定な状態では安心して翌日の契約をキャンセルできません。そこで、買付証明書を出したらすぐに売渡承諾書をもらえるよう不動産屋にお願いしました。
売渡承諾書は、売主の売却の意思を書面で伝えてもらう書類です。正式な契約書ではないのですが、少しでも売り主さんの心がわりの抑止力になればというねらいでした。 これでようやく私も決意!翌日の北西角地の契約を丁重にキャンセルし、大幅アップグレードした約40坪の東南角地を無事契約したというわけです。
しかし、後でとある工務店さんに言われた言葉で背筋が凍ります。
「よかったですねー。どちらもダメになった人を何度も見て来たので本当によかったです。」
や、やっぱり最後に心変わりすることってあるということでしょうか…。
ということで、わが家は理想以上の土地を運よく手にしてしまいました! こんな掘り出し物に出会えることもあるんですね。契約した直後は、興奮のあまり夫婦でおかしなテンションだったことを思い出します(笑)
次回は、この土地に建てるローコストにこだわりぬいたわが家の工務店選びのお話しです。各社の見積もり・仕様比較から工務店を決定するまでを2回に分けてお届けします。
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