イエマガ：ご主人が求められた「理想」の中で、いちばん重視されたことは？

ご主人：「土地のすべてを有効に使いたい」という願望は基本でしたね。太陽光発電を取り入れたりしているから、先ほども「エコ」と言われましたが、いわゆる「環境に優しい家」とは少し違うかな。太陽のパワーも家のために使いたい、という発想からきているので。

イエマガ：私たちも、読者の方とエコについて考える特集をしたばかりですが、ユニークな発想ですよね。

ご主人：あと、僕たちが購入した土地は、ガス管をひくのに工事が必要だったんです。だから、いっそのことオール電化にしてしまおう、ということになりました。ただ、オール電化と太陽光発電の併用には、高額の初期投資が必要でしたね。

イエマガ：それが気になるところですね。迷われたのではないですか？

ご主人：今後何年くらいで初期投資が回収できるのかを計算して、採算がとれるラインだなと思えたので。今のところ、太陽光発電はあと16年でもとがとれる予定。ただ、太陽光発電システムの設置に対して、僕たちの住む葛飾区から助成金がおりたんです。それは、初期投資にあたってかなりポイントが高かったと思いますよ。

イエマガ：初期投資の回収ラインが見えたんですね。資金計画はかなり緻密に？

ご主人：そうですね、家を建てるにあたってかかったコストについては、どこにどれだけお金がかかるか、事前にかなり調べて研究しました。そうしておかないと、最後の最後に大きく予算がオーバー！　なんてことになってしまいますからね。

イエマガ：しっかりした資金計画があったから、初期投資に費やせたんですね。それだけ資金計画を細かく練られながら、分離発注で工務店の役割も請け負われたんですよね。やるべきことが山積して、大変だったのでは？

ご主人：自分で調べる、作る、という作業がもともと好きなんです。だから、今回家を作ったのも、ものすごく楽しかった！　人生最高の「夏休みの宿題」みたいな感じ。大変でしょうとか、工務店に頼めばいいのにとかよく言われましたけどね。こんな夢のあるモノづくりが自分でできるチャンス、めったにないでしょう。大変だっていう感覚より、楽しくて仕方なかったな。