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ホームインテリア・収納 > ヨーロッパで暮らしながら旅をして(バックナンバー)

 

高石陽子さん

これまでインテリアデザイナーとしてモデルルームや新築住宅、マンションリフォームなどのインテリアデザインに携わる。

さらに現在は個人邸の整理収納計画から音や香り、食器の選定なども含む店舗デザイン、セミナー講師など幅広い分野で活躍。インテリアの基礎を教えるインテリアサロンCASAも主宰。オランダ在住。

Yoko Takaishi Design 代表
インテリアデザイナー /整理収納アドバイザー /The Interior Design School Diploma 取得 /BIID 英国インテリアデザイン協会 正会員

https://www.houzz.jp/pro/yoko-t326

今年はオランダも暖冬です。氷点下が続くと運河でアイススケートができる季節ですが、なんと1月から水仙が咲いています。ヨーロッパに暮らして6年目、確実に地球温暖化の流れを感じます。それも加速度的に。

第1回は運河沿いのアニタさんの家

年末、日本へ一時帰国していたときのこと。東京で暮らす娘の部屋の大掃除で、まだ使えるけれどもう着ない衣類が大量に出ました。さて皆さんならどうしますか?

日本にいた2010年頃、わたしは「古着deワクチン」というシステムを利用していた事を思い出しました。当時、約1000円で専用段ボール箱を購入し、不要な衣類を入れて送ると、発展途上国のポリオワクチンになるという仕組みが気に入って。 調べてみると、現在はなんと3000円以上に値上がりしていました。

衣類を処分するだけでこの金額は、学生にとってきついでしょう。手間がかかるので時間がない人にとってもハードルが高い。素晴らしい取り組みに変わりありませんが、誰もが日々利用できるシステムが欲しいところです。オランダの場合を見てみましょう。

※「古着deワクチン」…2010年にリクルートライフスタイルの通販で開始されたお片づけサービス。不要な衣類や服飾雑貨をリサイクルし、あわせてポリオワクチンの寄付もできる。SDGsパートナーシップ賞受賞。 https://furugidevaccine.etsl.jp

オランダには、市が運営している「クリングロープ」というリサイクルショップが多数あります。 このクリングロープの商品はすべて市民が寄付したもの。つまり、不用品を持って行くと必ず受け付けてもらえます。

雑貨、洋服、家具など様々なものを扱っているので、ちょっとした宝探し。それが楽しくてクリングロープ巡りをする人もいます。

お店で働く人も基本的にボランティア。大量の廃棄物への自覚を促し、障がい者や失業者が社会復帰するための雇用創出を目的としています。 処分したいけれど捨てるにはもったいない。そんなとき、クリングロープが身近にあることは精神的にありがたいことです。

ヨーロッパはプラスチック製品の使用を減らすため、パッケージそのものが全体的にシンプルです。消費者も納得しています。

プラスチックバッグはもちろん有料。各スーパーにエコバッグが売られていて、買い物に行く時は必ず持参します。面倒でも、慣れるとそれほど苦ではありません。

一方、これまで大量なプラスチックゴミを排出してきたとされる中国やタイ。ついに、中国は2020年末までにプラ製ストローとプラスチックバッグの使用を禁止。タイもこの1月からプラスチックバッグ禁止となりました。

どうです?日本は世界から取り残されてる感が満載です(泣)。どうせ無料だし、とつい袋を無意識にもらっていませんか? コンビニやデパートの過剰すぎる包装、通販の緩衝材の多さ。お渡し用の袋を何枚ももらう必要が本当にあるでしょうか。

通販で商品を購入するとき、どう考えても壊れない、または支障がないもの(例えばペットフード等)は備考欄に「簡易包装でお願いします。責任は問いません。」と書くと8割がたのお店は対応してくれるそうです。そのちょっとした一言が、社会を変えていくかもしれません。

アムステルダムの合理的なシステム

つい先ほどまで店頭に並んでいた食材が賞味期限を過ぎた瞬間、大量に廃棄されてしまうフードロス。この現実に疑問を持つ方も多いと思います。

「インストック」は、廃棄食材を使ったレストラン。大手スーパー「アルバートハイン」と提携し、廃棄される食材を低価格で調達しています。そして、それを調理するのは一流シェフ。普段は気軽に行けないような一流店で修行したシェフのお料理がとてもリーズナブルな価格でいただけると大人気です。

ただし、その日にならないとメニューが分かりません。しかも一択!それが何度行っても飽きない理由かもしれません。

フードロスを減らせるスーパーと、低価格で食材を仕入れられるレストラン双方にメリットがあるこのシステム。よくぞ考えた!実は、このアイディアな大手スーパーのビジネスコンテストから生まれたのだそうです。

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2020年2月19日
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