高石陽子さん
これまでインテリアデザイナーとしてモデルルームや新築住宅、マンションリフォームなどのインテリアデザインに携わる。
さらに現在は個人邸の整理収納計画から音や香り、食器の選定なども含む店舗デザイン、セミナー講師など幅広い分野で活躍。インテリアの基礎を教えるインテリアサロンCASAも主宰。オランダ在住。
Yoko Takaishi Design 代表
インテリアデザイナー
/整理収納アドバイザー
/The Interior Design School Diploma
取得 /BIID 英国インテリアデザイン協会 正会員
https://www.houzz.jp/pro/yoko-t326
アムステルダムといえば、美しい運河の景色を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
レンガ造りのカナルハウスに幾重にも重なる運河、そこに架かる個性豊かな橋。この街に暮らすようになり、毎日見ていてもどの季節をとっても、運河のある景色はいつでも新しい感動を与えてくれます。
オランダ人の友人に聞くと、大きさに違いはあるものの船を持っているという人は少なくありません。
夏になると日が長くなり夜9時過ぎまで明るいので、仕事や学校が終わってから家族や恋人、友人たちと簡単な食事や飲み物を船に持ち込み、まるでリビングでくつろぐようにのんびりと過ごす光景をよく目にします。見ているこちらまでとても豊かで幸せな気持ちになります。
運河沿いを歩くと、明らかに人が住んでいる気配のあるボートが停泊していて前から気になっていました。
勝手に住んでいる?いえいえ。 これらは、元々運搬に使用されていたボートがその役目を終え、1960年代頃から市内の住宅難解消のために住むことが認められた「ハウスボート」と呼ばれるものです。
生活に必要な電気、ガス、水道、通信などが完備されています。まさか下水垂れ流しでは…と少々心配に思ってよく見ると、きちんと下水設備も整っていました。運河沿いの道にはなんと専用の郵便ポストまであります。つまり、ハウスボートにも住所が与えられているということです。
水辺が大好きなオランダ人にとってハウスボートはとても人気があり、今や高級住宅が購入できるほどの高値だそう。あまりに人気でアムステルダム市内のハウスボートの数は2500ほどに制約され、常に空き待ち状態なのだとか。
世界最大のLGBTイベントの一つであるユーロ・プライド。ゲイ・プライドと共に2016年はアムステルダムで開催されました。
運河はピンクを身につけた人やレインボーフラッグを持つ人で溢れていました。多様性や個々を尊重し認め合うオランダらしい光景でした。
冬は、オランダ北部のフリースラント州で「11都市周遊スケートマラソン」という100年の伝統ある大会があります。一日で200キロ以上の運河をスケートで滑ります。
このイベントを安全に開催するには厚さ15センチ以上に運河が凍ることが条件で、その判定をするアイス・マスターと呼ばれる方までいます。残念ながら、ここ20年は温暖化によりなかなか運河が凍らず、最後に開催されたのは1997年という幻の大会です。いつかこの目で見てみたいものです。
今年は5年ぶりに運河が凍った!と、オランダ人は大喜び。アムステルダム市内でも天然のスケートリンクを楽しむ姿が見られました。
ただし、マラソン大会と違って氷の厚さを判定する人がいる訳ではありません。あくまで自己判断です。 友人いわく、パリパリと氷が割れるような音がしたら、とにかく止まらず安全な場所まで突っ走れ!!だそう。
考えただけでスリル満点です。 オランダでは、石橋を叩いて渡ると同義で「一夜でできた氷の上を歩くな」ということわざがあるそうです。
日本は石橋、オランダは運河の氷、それぞれお国柄が出て面白いですね。
それほどオランダ人にとって運河は身近なものなのです。
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