イ：その勝手口のある玄関ですが、ファミリー用の出入り口を設けているんですね。それに収納棚も。

Ｎさん：１階のファミリークローゼット（シュークローク）は必要な物を収納するのに、十分な幅と高さの可動式の棚を設けました。奥には上着のかけるハンガー掛けに、ベビーカーを置いても邪魔にならないスペースを確保しました。ちなみにウォークインクローゼットに限らずですが、収納場所にはコンセントの設置もおススメです。

イ：さらに、１階の寝室には衣類用のウォークインクローゼットも。どれぐらいの広さですか？

Ｎさん：ウォークインクローゼットは約３畳分使用していますが、夫婦２人分の衣類なら狭いと思われるかもしれません。

向かって左側は丈の長いものからパンツ類、右側は上下二段に分けてハンガー掛けを付けています。 向かいの壁には可動式の棚を予め設置しており、私は下に衣装ケースを置いて使用しております。

イ：この２つのスペースで、収納は足りていると感じられていますか？

Ｎさん：その他に階段下収納もあるので不便は感じていないのですが、服だけの収納場所としては夫婦とも足りていません…。夫婦揃って結婚前から所有している服が多かったので、今はとりあえず将来の子ども部屋のクローゼットを使っております。

子どもに部屋を与える頃に、もう着ない服やいらないものを断捨離すれば、寝室横のウォークインクローゼットだけで充分だと思っています。

イ：さて、この寝室ですが、すごく落ち着いた雰囲気のある照明やインテリアで、たくさん要望されたことが、盛り込まれた空間のように思いました。この部屋について、建築士に伝えた要望とはどんなことですか？

Ｎさん：こちらから要望をお願いしたのは、

●シングルベッドを２つ並べて置いても両サイドに人が通れるスペースができる広さにしたい。

●わが家は１階、２階とも天井高2720mmにしているのですが、寝る時に天井は高すぎても落ち着かないだろうと思い、ベッドの上部のみ天井を下げる。

●せっかく天井を下げるのだから間接照明を入れて、寝転んでも直接灯りを凝視しないようにしたい。

●私用の書斎、妻用のパウダールームを隣接したい。

●テレビ前の壁にスピーカー３つとエコカラット、天井にはスピーカー４つと空気清浄機を埋め込み、ホームシアターも鑑賞可能に

●照明類はシーリングを使用せず、ダウンライトと間接照明で全部調光式にしたい。

これを叶えてもらって、とても快適な空間になっています。子どもが産まれた今は、寝る時に安眠できるように音楽をかけながら寝ています。

イ：なるほど。それで、低い天井をベッドの上につくられているのですね。ベッドの奥に造られたパウダールームは、女性にとってうれしいアイデアですね。これはどこから着想を得たのですか？

Ｎさん：実はダイワハウスのモデルハウスを参考にしました。 実際に住む前は寝る前に歯を磨いたり、起きたらここで化粧をしたりとかいろいろと言っていたのですが、実際は寝る前まで２階のリビングにいるし、朝は起きたらとりあえずはリビングに行くので、わざわざパウダールームでって言うような使い道はほとんどありませんでした。

ですが、お客さんの宿泊時に妻が２階にある洗面室に行くことなく、寝室を出る前に化粧をすることが可能だったり、冬の乾燥時に加湿器の水分補給ができたり、子どものおむつ替えの際に手を洗える等、寝室に水栓があるとなにかと便利なことがよく分かりました。

奥さま：モデルハウスはもっと女性らしい白を基調としたデザインだったのですが、パウダールーム兼私の書斎としても使いたかったので主人とテイストを合わせました。

最近は家事ルームとかでリビング近くに奥さんの空間をつくっている家も多いですが、それだとオンオフの切替がしにくそうと思ってやめました。女性だってプライベート空間が欲しいですよね。男性だけ書斎あるなんでずるい！って思っている女性結構いると思います(笑)。

趣味でハンドメイドの鞄をつくったりするのですが、集中して作業したいときはここで作業するとはかどります。

２畳という広すぎず狭すぎず、いろいろと手の届くちょうどいいスペースなので作業場にはぴったりです。

今は小さな子どもがいるので、ここで作業するのはなかなか難しいですが、子どもが学校に行くようになればもっと利用できるようになると思います。

イ：ごもっともです（笑）。女性にも必要ですよね。確かに女性は家事をしもってなにかをするというシーンが多いので、ＬＤＫのどこかにつくるケースが多い気がしますが、一人になりにくい場所ですね。寝室なら静かな時間が過ごせると思います。ご主人の書斎と壁で仕切られているところもいいですね。

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