イ:オーストラリアの一般的な間取りと違う「日本的」なところどんなところでしょうか?
Yさん:一言で言えばオープンかクローズの違いでしょうか。こちらの家の多くは部屋の入り口にはもちろんドアを付けますが、主寝室専用のバスルームはオープンです。シャワー、トイレ、洗面所を使うとパートナーが寝室にいる場合には音が聞こえます。場合によっては見えます。
玄関を入ると目の前にリビングとかキッチン(!)など、とにかくオープンで落ち着かないので、日本人的なデザインとしてクローズを希望しました。この家は戸袋に入るタイプのスライドドアを多く使いました。ドアフレームは見えますが、オープン、クローズのどちらの状態でもすっきり見えます。
ほかには、日本のトイレにはコンセントが普通にあると思いますが、こちらではないのが普通です。もちろん3カ所とも付けました。
階段下の有効活用も、一般的にはそのまんま空いていることが多いです。私はスライドドアを使って机が入る程度の間口を付けました。開いて椅子を引き出せば小さな書斎にもなります。
今はリビングとかが散らからないように何でも入れます。将来は本棚とかを稼動できるようにしてドアの前に設置して、秘密の小部屋にしてみようかとも思います。あ、片付かなくなるからだめかも!?(笑)。
イ:間取り(部屋の配置)の中で他にオーストラリアでは珍しいところはありますか?
Yさん:こちらでは9割以上が平屋で、2階建てはとても珍しい一戸建てとなります。大都市近郊の住宅地は2階建てが多いと思いますが、ここケアンズは平屋が圧倒的に多いです。この2階建てでも、多くの場合2階に主寝室という間取りが多く、1階にあるもう一つのバスルームをお客様用にもするパターンが一般的です。
イ:ケアンズは熱帯性気候ですね。間取りの中でケアンズの気候にあわせた部分はありますか?
Yさん:はい。雨季と呼ばれる時期は高温多湿になるので、できる限り多くの窓やドアを付けて、風通しを良くしました。エアコンは必需品ですので、それぞれのスペースをクローズするドアが役立っています。
また、熱帯性気候でも乾季と呼ばれる時期は気温が朝夕に10度近くまで下がりますが、暖房器具を使う習慣がありません。この時期の太陽の向きに合わせて、リビングやダイニングキッチンを北側に向けています。 |