イエマガ:それではまず「介護」という面でのポイントを教えてください。
ご主人:オーソドックスなところではバリアフリーですね。田舎で敷地に余裕があったので、平屋で建てることにしました。
玄関の5cmほどの上がり框以外にはほとんど段差がありません。将来必要になった時に備えて玄関・廊下・トイレなどは車椅子でも回転できる広さにしています。
イエマガ:部屋の配置で特に注意されたことはありますか。
ご主人:母親の部屋ですね。年寄りの部屋というと、ありがちなのが「和室で家の中心から遠い位置」というスタイルだと思います。でも、わが家の母親の部屋は「洋室で、家の一番使いやすい場所で声を掛けて聞こえる範囲」に位置した間取りにしました。
イエマガ:それはどういう理由で?
ご主人:高齢になってくるとどうしても足腰が弱ってきます。和室の生活では、日常の立ったり座ったり横になったりという動作が思いのほか負担になるんです。だから「和室で布団」よりも「洋室でベッド」のほうが体にやさしいんです。
それに家の中心から離れた場所では年寄りが孤独になりがちです。万が一なにかがあったとき、物音に気づかないかもしれません。それに家の中心に部屋があれば、ちょっと外に出るのにも、お風呂場に行くのにもアクセスがいいですから。
イエマガ:なるほど、「やさしさ」を感じられる間取りですね。他にポイントはありますか?
ご主人:これは家内の「女性視点」で取り入れたんですが、玄関でなにか気づきませんでした?
イエマガ:そういえば玄関がすっきりしていた気がします。
奥さま:実はシューズクローゼットを上がり框の上に作りました。靴箱って玄関を入ったところの土間にあることが多いですけど、あれだと脱いだ靴をしまいたいとき、また土間に下りないとしまいにくいじゃないですか。
上がり框の上に靴箱があれば、脱いだ靴をそのまましまえますから、年寄りに限らず私たちにも楽なんです。これは病院とか学校のエントランスにある靴箱をヒントにしました。
それと玄関にはもうひとつ工夫があるんですよ。
イエマガ:といいますと?
奥さま:これは特に「介護」というわけではないんですが、コートクローゼットをつくりました。このあたりの冬はかなり寒いので、コートを着る時期が長いんです。
春・秋の時期に『今日はコートはいらないかな』と思って外に出たら予想外に寒かった、というようなときでも玄関にコートクローゼットがあれば奥まで取りに行かなくてすみますし、帰って来たときに脱いだコート類を玄関で止めることで、リビングに脱ぎ散らかすこともなくなります。
それにお客様が来られたときにも玄関でコートを脱いでもらって掛けておけば、お帰りの際にコートを忘れて取りに戻るというようなこともありませんので、とても便利なんですよ。
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