地震の揺れや、台風による強風は建物に水平に(横から)大きな力がかかります。
台風のときは、数時間単位でみると、風向きは変わりますが、風速20〜30m以上の大きな力がかかり、その方向は一方向です。
地震のときは、瞬時に揺れの方向が反転します(建物は両方向に揺れます)。
このような大きな力に耐えるように、壁を工夫します。
さて、どういう風に壁を工夫するのでしょうか?
在来工法(木造軸組)では、木材の柱(はり・土台)を組み合わせた骨組みに壁や屋根材が取り付けられています。
柱に横から力が加わると、変形してしまいます。
そこで斜めに木材を取り付けたのが「すじかい」です。
四角形を三角形にすることで変形を防ぎます。すじかいをたすき掛けに取り付けると、さらに強くすることができます。
実際にはすじかいは柱と柱の間に入れていきます。
すじかいのかわりに面材(合板)を釘で打ちつけたものもあります。
それでは耐力壁はどこに配置すればよいのでしょう?
それぞれに対面する部分に耐力壁を設定します。
東西南北に対面する耐力壁が足りないとバランスが悪くなるので注意してください。
もう一度、耐力壁の配置を見てみましょう。
例えば、南北側だけに耐力壁を配置すると、南北方向から力が加わった場合、南北側に倒れてしまいます。
東西側から力が加わった場合は、ねじれてしまいます。
耐力壁は東西南北にバランスよく配置しましょう。
一般的に、外観上も凹凸の多い家は、地震や台風から受ける力をうまく分散することが難しいため、複雑な力が加わります。
耐力壁をバランスよく配置してください。
外
観上も凹凸の少ない家は、地震や台風から受ける力を比較的均等に分散してくれるので、耐力壁の配置が簡単です。
リビングルームなど、大きな空間(1辺が5m以上の部屋)を作りたい場合、一方の壁を全面窓にすると、強い力が加わったときに上階を支えることができません。
途中を支えるための耐力壁を配置しましょう。
ただし、木造以外の工法では、不要な場合もありますので設計者にご相談ください。
地震や台風から受ける力を支える壁ですから、穴(窓)が開いていると支えられなくなります。
耐力壁は、窓やドアを避けて配置しましょう。
面材で耐力壁を作っている場合、換気口(扇)や配管で大きな穴を開けるのも同様によくありません。
すじかいの場合、すじかいの間に穴を開けるのは問題ありません。
※耐力壁は、たくさん配置するのがよいわけではありません。バランスが大切です。
詳しくは第2話「簡単!やさしい耐力壁の配置」をご覧ください。
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