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納得のできる家づくりができるように、僕たちのベストパートナーを選ばなくてはいけないね。
どんな住宅を設計したのか、ウェブサイトの「作品」とか「WORK」をクリックして見たんだけど、奇抜なデザインだったり、ワンルームの造りだったり、格好いいけどちょっとなじめないものもあったわ。
そこが建築設計事務所の売りなんじゃないの。設計監理のためにプラスアルファーの経費をかけてでも、土地を最大限に活用した家づくりをしたいとこだわる人が依頼するのだから、いろいろな提案があっていいんじゃないかなあ。
でも、私たちのような4人家族が住むとして、うまくイメージを描けるような設計例がなかったような……。
まぁ、ほかの人のために設計された住宅だから、僕たちの思いと一致しないかもしれないだろう。
大事なのは、家づくりに対する考え方じゃないかなあ。そこが僕たちと合っていないと、パートナーとしてはうまくいかないと思うな。
納得のいくまでトコトン話し合って、僕たちにベストマッチしたオンリーワンの家を建ててくれる人にお願いしたいね。
建ちゃんがそういうだろうと思って、4社の「家づくりに対する考え方」みたいなことを抜き出しておいたわ。これを見て!
陽子が新たなウィンドーを開くと、次のような4社の比較表が現れました(右参照)。
おおっ! 見やすくまとめてくれたので助かるよ。
どの事務所の「思い」が私たちと一致するかしら?
<A建築設計アトリエ>は、地域、自然、風土といった要素を重視して設計しているという点は好感が持てるんだけど、デザイン面のこだわりやコスト感覚に関するメッセージがないね。設計者の顔が見えないというか、インパクトに欠けるという印象かな。
<B建築設計事務所>は、住宅メーカーや工務店・ビルダーとの違いがよくわかったけど、ちょっと批判的ね。建築家だからこそできることが、もっと知りたいんだけど。
ハウスメーカーのように大量仕入れすると、スケールメリットでコストダウンが図れるけど、個人レベルの建築設計事務所の場合はコスト面が気になるなあ。
<Cアーキスタジオ>と<D建築デザイン工房>は、どちらもコミュニケーションを重視しているわ。
どちらも謙虚そうだし、コストへの配慮も感じられるぞ。一度、両方の事務所へ行って代表者と会ってみたいね。
あら、そういうのって時代遅れなのよ。先にメールを送ってアプローチするのが今どきのやり方なんだから。
そうなんだ。じゃあ、どちらかの事務所にメールを送ってみよう。
私の勘によると<D建築デザイン工房>ね。
ということで夕食を終えた後、建太郎と陽子はメールの文面を一緒に考え、先方に送信しました。
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D建築デザイン工房 御中
はじめまして、千葉在住の大家(おおか)と申します。
このたび、埼玉県K市で土地を購入し家づくりを始めるにあたり、 御社の家づくりに対する考え方に共感しました。
一度お会いして、さらに詳しい話をおうかがいしたいのですが、 来週の水曜日または木曜日のご都合はいかがでしょうか。
大家 建太郎・陽子 |
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翌日の午後、早速D建築デザイン工房から以下のメールが戻って来ました。
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大家 建太郎・陽子 様
ご連絡ありがとうございます。代表の望月 かなえです。
埼玉県K市で家づくりをなさるそうですね。
私どもの「家づくりに対する考え方」を詳しくお伝えしたいと思います。
来週の水曜日の午後3時以降でしたら、お会いできます。いかがでしょうか。
お返事をお待ちしています。
※よろしければ大家さんの家族構成、年齢、職業、
予算(土地以外)と
取得された土地の広さと形状・方位などを、
事前にお知らせいただければ
お話をスムーズに進められます。
D建築デザイン工房 代表・望月 かなえ |
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かくして、建太郎と陽子はD建築デザイン工房の事務所を訪ねることになりました。土地探しに始まり、二人にとっては初めてのことばかり。ドキドキの連続ですが、ワクワク感はそれ以上とあって、今回もかなりテンションが上がっているようです。さあ、このあとの建築設計事務所との出会いはどうなるのでしょうか。 |