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まっしん はやぶさ さん
関西から関東に転職を機にお引っ越し。関西で暮らしていた分譲の戸建ては賃貸に出すものの、住宅ローンの支払いは赤字に…。さらに関東での家賃も加わって…。
それならば!と、2軒目の家を建てることに。住宅ローンをできるだけ抑え、かつ、土地も建物も満足のいく家づくりに挑戦されました。コストを抑えるコツ、納得のいくまで調べられた知識をこの連載にまとめていきます。
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イラスト:天野勢津子さん
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以前に、検討していた2つの工務店のどちらからも、白一色の外観パースを受け取っていましたが(第4話)、密かに外壁は2色以上の張り分けに挑戦したいと思っていました。
外観デザインを考えはじめて、気がついたのが外壁の出っ張りの重要性です。
ローコストな家づくりには角を減らすのが鉄則ですが、結果的にできてしまった(第13話)出っ張りが、張り分けに活用できたのです。
当初は、少しダークな色合いの外壁が気になりつつも、全面的に張るのも重すぎると思っていました。そこで、キッチンスペース確保のために出っ張った部分にダークな色を付けてみると、明るい色に挟まれて、メリハリのある外観になりました!
ところがこの張り分け、正面から見るとよいのですが、反対側の処理が意外に難しいのです。張り分けのことを考えると、凸凹の角が反対側にあった方が良かったということを、この段階で気がきました。
外観が美しいお家って、きっとこの凸凹のコントロールも設計段階でよく考えられているのでしょうね…。
わが家の場合、中央で張り分けた部分を右の面まで伸ばしているので、正面同様に背面も左右の白い壁面と色を切り替える必要があります。でも、やはり凸凹がないと、ちょっと取ってつけたような張り分けになってしまいます。
バソコンでの試行錯誤だけでは、張り分けのイメージをなかなか固めきれません。そこで、外壁材メーカーのショールームを訪問して感覚を掴むことにしました。
ちょっと遠い場所だったのですが、工務店にはない大きいサンプルがたくさん置かれており、これが大正解!
外観のイメージを膨らませる施工事例の写真がたくさんあったり、専門のスタッフからアドバイスがいただけたりと、安心してじっくり家の外観を考えることができました。
特に重要だと感じたのが、屋外での自然光での確認です。同じ外壁材でも屋内と屋外で全然印象が変わるのにはびっくりしました。
もちろん、工務店に置かれているサンプルでも確かめられましたが、ショールームのサンプルは、それぞれ四倍ぐらいの大きさのサンプルだったので、違いがより分かりやすかったのです。
ローコストな家づくりと言いながら、ちょっとこだわって贅沢をしてしまったのが、外壁材の厚みです。
コストにこだわるなら、厚さ14ミリのサイディングが断然安かったのですが、住宅展示場のモデルハウスなどで、柄の彫りが深く、見栄えのする外観のサイディングは、まず間違いなく厚さ16ミリ以上のものでした。
予算の都合で、選べるデザインは限られていましたが、彫りの深いサイディングを選べることにウキウキしながら、物色しているところ、わが家の仕様書を覗き込んだショールームのベテランらしきスタッフが突然気になるなることを言い出します。
「お客さんは長尺出隅仕様だね。凸凹のないこの出隅になるよ。」
そこには、こだわった彫りの深さどころか、まったく溝のないのっぺらぼうのように平らな出隅材…えっ?どういうこと?
理想のモデルハウスの外観を思い返しても、確かに角の部分まで外壁の柄や溝が刻まれていた記憶しかありません。
私が困惑した表情を浮かべていると、外壁材と同じ溝があるのは同質出隅と言って、このメーカーの場合は短尺出隅というタイプになるとベテランスタッフが教えてくれました。 どうやら、この短尺出隅は長尺出隅より高くなるようなのです。
想定外の出隅がのっぺらぼーとなる危機に、藁をも掴む気持ちで、工務店の太っ腹社長にその場で電話を掛けてしまいました。なんと、社長は「大丈夫ですよ」との即答です。
社長の「大丈夫ですよ」は、差額なしで短尺出隅を選んでも大丈夫という、文字通り太っ腹なサービスを意味します。本来、追加費用を求められてもおかしくないのですが、当初のイメージ通り、家の角まで彫りの深さを徹底できることに胸をなでおろしました。
こんな、ひと騒動あった出隅材ですが、もう一つショールームのベテランスタッフのアドバイスがありました。それは…
「家の出隅で色を切り替えない方がいいよ」 という内容です。
家の出隅で色を切り替えようとすると、L字型の出隅材をどちらかの色に合わせる必要があります。このようにすると、どちらに合わせても出隅材の厚みが壁の厚みのように見えて、薄っぺらい壁がくっついているように見えるそうなのです。
なるほど、これは参考になります。実際、差し掛け屋根の背面でも角で切り替えることを考えていましたが、出隅材のことを考えるとおかしなことになるところでした。
実は、太っ腹社長にもう一つ相談したことがありました。わが家の標準仕様では、外壁材は2色まで選べることになっていたのですが、図々しくも3色選びたいと甘えてしまいました。
これには、さすがに多少呆れながらの「いいですよ…」でしたが、仕様はともかく3色の張り分けはくどくなるのでお勧めできないそうです。全く同じことをショールムのベテランスタッフにも言わたので、きっとプロの常識なんですね…。
しかし、使いたいのは3色と言っても、白系2種類にダーク系一種類。
特に白系の2つのサイディングが、どちらも捨てがたい素敵な陰影の凸凹で、どうしても取り入れたくて絞り込めません。ダーク系をどちらかの白系と同じシリーズから選べば、凸凹の形状が変わらないので、それほどくどくならないのではと考えました。
若干くどくなる不安を抱えつつも3色での外壁の張り分けに、改めて挑みます。白系の外壁材が気に入りすぎて、なるべく広い面積で使いたくなってしまいました。
冒頭の張り分けは、真ん中のダーク系が正面から見ると存在感がありすぎて重苦しい気がしてきます。色の配色を反転すると、真ん中にお気に入りの白系をドーンと張れます。
しかし、単に反転するだけだと、白系が一カ所しか張れなくなく、庭に面するバルコニー側がダーク系一色になるのは、暗いイメージになりそうで避けたいところです。
そこで、縦に揃えた吹き抜けとリビングの縦すべり窓のまわりだけをダーク系でストライプに張り分けるデザインを思いつきました!
これで、バルコニー側を白系にすることができ、白系のエリアが2カ所で、2種類の陰影の外壁材を楽しむことができます。
われながら、初期の張り分けよりも、明るくスタイリッシュな張り分けになって大満足! 妻も気に入り、工務店にも希望を伝えて、一見落着となるはずだったのですが、実は外観はこのままでは終わらなかったのです…。
〜編集後記〜
外壁材の張り分けに挑戦されたまっしんさん。凹凸のない平らな面を張り分ける難しさを乗り越えて、大満足のはずなのにこの後なにがあったのでしょうか。実は次回、もう一度外壁材を選び直すことに。最終的に決まったデザインと、「知っていたら外壁材選びが変わったかもしれないポイント」も公開していただきます。お楽しみに♪
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