イエマガ：リビングのお話も伺いたいと思います。
こちらは上を見上げると吹き抜け部分にかなり梁がたくさん通っていますね！

勝彦さん：これは私の希望でデザインした梁です。
もともと、通し貫にあこがれていたので、家を建てるときはぜひ入れたいなぁと思っていたんです。

イエマガ：この通し貫が、なんだか古民家のような威厳を感じさせますね。それにしても結構な数の梁ですね。

勝彦さん：いくつかは飾りで加えてます。施工しながらイメージを膨らませて、掃除をするときの順路も考えながら足していきました。
この家は自分の会社で施工したので、現場監督を務めながら実際に工事も手伝ったんですが、この梁の部分の作業は、はしごで登って行うので、さすがに大変でした（笑）

イエマガ：梁以外にもこだわりはありましたか。

勝彦さん：家の形は、あまり変形せずに、家の強度も考えて、真四角形で建てようと決めていました。これは妻とも意見が一致したところですね。あと、自然の素材を使うということも。だから木材にはすべて自然の塗料、べんがらを使っています。

イエマガ：この梁も含めて木材はすべて色が統一されていますね。

勝彦さん：木材はすべて杉です。友人がネットで見つけた安価な杉を買いました。これに京都から取り寄せた柿渋とべんがらを混ぜて、天井も床座も、手作りのテーブルもすべて自分で塗っていきました。毎晩仕事が終わってから少しずつ塗って、約３カ月間かかりました。

イエマガ：大変な作業ですね。すべて手作業で、家への愛情が感じられます。

ミサさん：この家を建てながらふたりで「楽しく建てて、楽しく暮らそう」って話してました。

勝彦さん：わたしたちは、こだわりがないところはできるだけ節約したり、大切なところにはお金をかけたり、と予算以内でできるような工夫を考えながらじっくり取り組みました。
そうそう、我が家の門扉や駐車場との仕切りの木材は、廃材を扱う会社からもらってきました。あれは、もともとの線路の枕木ですよ。他にも薪ストーブ周辺の庭にとこどころ敷いているレンガは、近くの古い建物を取り壊したときにとっておいたものです。こういうことを考えるのも楽しかったですね。