スウェーデンの森の中の田舎には、レストランやカフェはありません。
でも、街の中にはないこんな楽しみを発見しました。それがこの「農園カフェ」。

農家さんが夏の間運営しているカフェです。
普段はここでオーガニックの麦や野菜を栽培しています。その麦を使ったパンは週に一度、街の広場の金曜日のマーケットで販売もされていて、私も一度買ってみたことがありました。

健康的な小麦の味がしっかりするパンで、何もつけなくても噛み締める度にしみじみ美味しいのです。
翌週またマーケットに行った時、そのことをお店のひとに伝えると「実はね―」と農園カフェの存在を教えてくれたのです。

そこで、早速森のコテージから車で田舎道をドライブして農園カフェに向いました。スウェーデンの田舎の景色は本当に美しくて、見飽きることはありません。白樺の林の向こうに畑が広がり、典型的な赤い外壁の農家がひょっこり現れて、まさにそこが目的地の農園カフェなのでした。

農家の建物のドアを開けると小さな店になっていて、そこで焼いたパンや栽培した野菜、加工品も売られていました。

ランチを食べたかった私たちは、夏の間だけ設営される外の大きな白いテントの中の「仮設レストラン」へ案内されました。

ランチメニューは１種類のみ。「農園の赤いスープ」とパン、地元で作られたチーズやハムの盛り合わせ、ということでした。

赤いスープってどんなだろう？とワクワクしていたら、見事に赤いスープが現れました。旬のトマトやビーツ、レッドオニオンなど農園で育てられた赤い野菜を中心に煮込んだスープです。美味しい！！野菜の味がドキッするような濃厚さです。

食べている間は、蜂がチーズに向って飛んできたり、農家の猫が足元にすり寄ってきたり、スズメがテーブルの上に遊びにきたり、なかなか賑やか！でしたが、開放的な自然の中でいただく、農園ランチのひとときは最高に贅沢な時間でした。