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まっしん はやぶさ さん
関西から関東に転職を機にお引っ越し。関西で暮らしていた分譲の戸建ては賃貸に出すものの、住宅ローンの支払いは赤字に…。さらに関東での家賃も加わって…。
それならば!と、2軒目の家を建てることに。住宅ローンをできるだけ抑え、かつ、土地も建物も満足のいく家づくりに挑戦されました。コストを抑えるコツ、納得のいくまで調べられた知識をこの連載にまとめていきます。
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イラスト:天野勢津子さん
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さまざまな太陽光メーカーの提案を見比べた結果(第27話)、ネット販売の約7年で投資回収できる条件が改めてお得に感じます。しかし、はやる気持ちを抑えつつ、住宅メーカーに勤める親戚に、後付け太陽光発電についての意見を聞いてみると…
「太陽光モジュールは重たいですよ。耐震強度が落ちますが大丈夫ですか?」 と、思ってもみない返事がありました。
重い瓦屋根には、建物の構造強化の追加費用が必要と工務店に言われた記憶を思い出しました。わが家は、重量の軽いスレート屋根を採用したのですが、ローコスト住宅が安い理由はこの軽い屋根のおかげと聞いたこともあるので、心配になってきました。
そこで、おそるおそる工務店の社長に問い合わせてみると…
「まっしんさんの家は軽い屋根ですが、実は重い屋根の想定で構造計算しています。より安全側にみた設計なので太陽光パネルを載せても耐震等級への影響はありません」
と驚きの回答がありました。
わが家は、在来軸組工法と構造用合板(※)を組み合わせたハイブリッド工法という、元々耐震性にこだわった構造を採用しています。あらためて、図面をよく見ると一階だけで18カ所もW筋交いを入れてくれているのですが、これは重い屋根に対応した設計だったのかもしれません。
※建築に使用できるように強度が保証された合板。
どうやら耐震性の心配はなさそうですが、自然災害の場合はどうなるでしょう。
太陽光パネルメーカーによって、システム機器の動作保証や出力保証に違いがあることは知っていましたが、自然災害時の補償内容にメーカーや施工会社によって違いがあることを当初は知りませんでした。
建物と同様に様々な自然災害時の故障や損害への備えは、当時はあまり深く考えていなかったように思います。最近の異常気象による台風や豪雨のニュースを見ると他人事とは思えません。
万一、補償が不十分な場合は、火災保険の増額でカバーできるようです。わが家が検討した当時は、自然災害補償が10年間までのところが多く、補償が切れる11年目から火災保険を増額して対応するのが良いと、火災保険会社にアドバイスを受けました。
つまり、11年目以降は火災保険料を追加となるので、将来の出費を想定しておく必要があります。初期費用の回収さえしてしまえば、売電収入がそのまま利益になると思っていましたが、そんなに単純ではなさそうです。
さらに調べると太陽光パネルの取り付けで多いトラブルに、雨漏りがあるようです。 本来、新築住宅には、ハウスメーカーや工務店による10年間の瑕疵担保責任が「品確法」として法律で定められています。
この保証内容には、屋根や外壁からの防水も含まれているため、万一の雨漏りにも安心して暮らすことができます。これが、後付の太陽光パネルを取り付けたらどうなるのか、わが家の工務店に確認してみました。 やはり残念ながら、屋根に穴を開けて取り付ける太陽光パネルを設置すると、やはり屋根の防水保証は失われるという回答でした。
新築時に同じ工務店に請け負ってもらったり、引き渡し前の工事中に載せる計画が決定した場合であれば、事前に届け出ることによって10年保証に含めることができる場合もあるようですが、既に引き渡しを受けた後なので間に合いませんでした。
一応、太陽光パネル施工業者による10〜15年の施工保証を受けられると聞くのですが、ここで一抹の不安が…施工補償は、あくまで太陽光パネルの施工が原因となる問題を保証するものであって、万一、工務店の施工不備が原因で屋根から雨漏りがあっても保証されない気がします。
もちろん工務店の施工は信頼しているのですが、万一の場合の雨漏りリスクを考えると太陽光パネルの取り付けによほどのメリットが必要だと感じるようになりました。
そして、太陽光を導入するために考えるべきことは、これだけではなかったのです…。
工法にもよりますが、一般的な太陽光パネルの施工は、屋根に何百カ所の穴を空けて、金具をビスで取り付けるそうです。10〜15年の施工保証が付くとはいえ、たくさん穴が空いてしまった状態の家のその後は大丈夫なのでしょうか?調べてみると、屋根に穴を空けずに太陽光パネルを取り付ける方法がいくつかあることがわかりました。
(1)特定の金属屋根に限り穴を空けずに取付可能な方法
わが家はスレート屋根なので利用できないのですが、将来太陽光を取り付ける可能性があるなら、対応可能な金属屋根を選択しておくのもありと思いました。
(2)屋根面を無駄なく利用する設置方法
屋根をすっぽり覆い尽くすように太陽光パネルを被せることで、屋根スペースを余らせずに大容量の太陽光パネルを設置できる工法です。
わが家のスレート屋根への後付が可能で、当時はあまり見かけなかった、屋根一面が太陽光パネルになったスタイリッシュなデザイン性が魅力です。たくさんの太陽光パネルを取り付けられる潤沢な予算があると良い選択肢なのですが…。
(3)架台を使い屋根以上のパネルが搭載できる方法
屋根に一切穴をあけない独自の架台を固定することで、屋根面より大きな太陽光パネルを設置したり、将来高性能なパネルへのアップグレードが可能となる工法です。あらゆる屋根に設置できるため、わが家のスレート屋根にも対応可能でした。
これらの穴を空けない施工に限って、屋根の防水保証を継続してくれる工務店やハウスメーカーもあるようです。当時、実際に問い合わせしてみたのは、(3)の独自の架台を固定する施工でした。
比較のためにもらった見積もりは、なんと、他社の同じメーカーの同等容量の条件の約1.5倍!(2012年当時) 雨漏りにおびえて暮らし続けることや、万一の修理代金を考えると安いものでしょうと勧められましたが、やはりこの金額差はわが家にはインパクトが大きすぎます。
もう少し、リーズナブルに安心して太陽光パネルを取り付ける方法はないものでしょうか? この旅はもう少し続きそうです。
〜編集後記〜
前回の「予算がないのに太陽光発電が付けたくなった」で、初期投資費用の回収について見積もりを比較検討しましたが、今回は実際に取り付けるとして、費用以外にも留意しておく点がないか調べました。一番気になるのは「屋根に開く穴」。釘を打つことでできる訳ですが、実際どんな穴がどれぐらいつくのでしょうか?次回は、太陽光発電の施工法について詳しく調べます。
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