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まっしん はやぶさ さん
関西から関東に転職を機にお引っ越し。関西で暮らしていた分譲の戸建ては賃貸に出すものの、住宅ローンの支払いは赤字に…。さらに関東での家賃も加わって…。
それならば!と、2軒目の家を建てることに。住宅ローンをできるだけ抑え、かつ、土地も建物も満足のいく家づくりに挑戦されました。コストを抑えるコツ、納得のいくまで調べられた知識をこの連載にまとめていきます。
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イラスト:天野勢津子さん
http://amachakoubou.com/
わが家は、そもそも建築費を捻出するのがギリギリだったぐらいなので、太陽光発電を取り付けるなど夢にも思っていませんでした。しかし、まだ着工前ぐらいのタイミングで、気になる太陽光設置のネットサービスに出会います。
なんと、わずか8万円で太陽光発電を設置できるとあるではないですか。10年間売電収入を業者とシェアすることで、自己負担を下げる仕組みなのですが、当然その間は収益が小さくなります。
それでも格安で太陽光が取り付けられる可能性があるのは、予算が少ないわが家には嬉しい話なので、軽い気持ちで見積もりを依頼してみました。
すると、見積もりのために平面図、立面図、屋根伏図を送ってくれと言われました。すでに平面図、立面図は工務店からもらっていたのですが、屋根伏図はもらっていないどころか初めて聞く言葉です。
なんとか、工務店にお願いして入手できたのですが、「何に使うんですか?」と、とても不思議そうに質問されました。8万円で太陽光を付けられるって話が怪しそうに思われそうなので、とても言い出せなかったのですが、一般的には素人が必要とする図面ではないようです。
工務店によっては、屋根伏図を作らない場合もあるようなので、将来太陽光を付けることを考えている方は、確認しておいたほうが良いかもしれません。
しばらく太陽光はすっかり諦めていたのですが、工務店提携の設備屋さんから、引き渡し直後に太陽光の提案がありました。
でも、出てきたのは初期費用の回収に15年ほどかかるプランでした。8万円の太陽光でも10年後は自分のものになるのに、15年は長すぎます。そもそも、固定単価で買い取りしてもらえるのが10年間(固定価格買取制度※)なので、11年目以降の収支が不明瞭です。
調べて見ると、太陽光の初期費用の回収に15年程度かかるというのが当時の常識だったようです。取り付ける場合は収益目的だけでなく、エコへの貢献や停電時への備えなどの意義を考えられる人に向いていると聞いたことがあります。
※再生可能エネルギーの普及のため一定期間、同じ単価で買い取ることを国が保証する制度。
そんな時、約9年ほどで初期費用を回収できるという太陽光販売が、またまたネットで出てきました。
あえて、最高性能ではないパネルを利用することで、価格を抑えて費用の回収期間を大幅に縮める…という考え方に、とても興味がわきます。
見積もりは、ネットの手続きだったのですが、屋根伏図含めて図面が手元に揃っていたため、申込みはとてもスムーズでした。
実際に届いた提案は、5.55kW または4.995kWの2種類。「とても太陽光発電に向いているお家(屋根)で大変驚きました」という担当者のリップサービスと一緒に届いたのは、なんと9年より更に短い7年で回収できるという見積もりでした。
一般常識の15年の半分以下なのですから驚きです。 これは、天空率を使ってくれた工務店のおかげで作れた、南向きの大きな屋根のおかげですね(第16回) 。
7年で回収できれば、固定買い取りの期間があと3年も残ります。そこで得られた、発電効果額は約68万円にもなるではないですか。
公表されている回収期間よりも大幅に短く回収できるという条件に気を良くして、借金してでも取り付ける意味がありそうだとすっかりその気になってきました…。
やはり、新しいネット販売の安さには、普通の業者はかなわないのかと思っていたら、工務店提携の設備屋さんから新しい提案がありました。今度は、6社ものパネルメーカーすべての提案が10年以内の回収年数になっています。
しかも、国産メーカーにこだわらなければ、約8年というかなり優秀な提案もありました。ネットの販売業者の7年回収には、惜しくも届きませんが、工務店提携という点で施工と保証の安心感があるので悩ましいところです。
ただし、ローン利用の金利が2.75%となっているのが気になりました。一般的には、低金利のローンなのだと思いますが、1%を切る住宅ローンの金利を見慣れた後だと高く感じます。
試算すると2.75%のローン金利を含めた回収年月は9〜10年となりました。これだと、やはりネット販売業者に比べると見劣りします。やっと回収した頃に、固定買取の10年間が終わってしまうので、売電収入でのお得感が感じられない気がします。
それにしても、メーカーによって搭載されるシステム容量に随分違いがあるものだと思ったのですが、それはパネルのサイズに理由がありました。
太陽光パネルは設置するなら、なるべく屋根に載せられるだけ搭載したほうが良いと、太陽光メーカーに勤めたことがある知人にアドバイスを受けていました。
このため、太陽光パネルが屋根を埋め尽くすことになると思っていたのですが、見積もりと一緒に届いた配置図には、一部イメージと異なるものが…。
中途半端なスペースを残して、L字型の配置になってしまうメーカーのパネルの配置案がいくつかあったのです。どうやら、パネルを隅々まで配置するには、ほんの少し屋根の幅が足らないようです。
メーカーによっては、隅々までパネルを配置できる提案もあったので、パネルサイズと屋根の寸法の相性があることを、この時点で初めて知りました。
そもそもメーカーによって、パネルのサイズがまちまちであることも、全く考えにありませんでした。こんなことなら、後付とはいえ、搭載の可能性がある太陽光メーカーのパネルサイズを想定して、屋根の寸法設計をチェックしておくべきでしたが、時すでに遅しです。
コストパフォーマンスも重要ですが、L字型の配置は見た目が中途半端で、とても残念な感じになりそうで気になります。
そして、太陽光を導入するために考えるべきことは、これだけではなかったのです…。
〜編集後記〜
毎回、太陽光発電の話が登場するたびに思いますが…比較検討が難しい設備ですね。もちろんここに登場した設備屋さんのように、各社シミュレーションをしてくれるところはたくさんあるのですが、その見積もりから判断するのが難しい…。
どれぐらいで回収できるのか相場を知る、各社の違いを調べる、外観への影響も確認…まっしんさんの検討方法がみなさんの設備選びのお役に立ちますように…。でもまだ太陽光発電を設置するうえで、知っておいたほうがいいと後から思われたことがあるそうです。それは次回に。
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