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まっしん はやぶさ さん
関西から関東に転職を機にお引っ越し。関西で暮らしていた分譲の戸建ては賃貸に出すものの、住宅ローンの支払いは赤字に…。さらに関東での家賃も加わって…。
それならば!と、2軒目の家を建てることに。住宅ローンをできるだけ抑え、かつ、土地も建物も満足のいく家づくりに挑戦されました。コストを抑えるコツ、納得のいくまで調べられた知識をこの連載にまとめていきます。
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イラスト:天野勢津子さん
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われながら素敵なサイディングの張り分けで、納得の外観にたどり着いたはずでした(第19回)。しかし、他の目的で建材メーカーのショールームを訪問したことで事態が急転します。
偶然通りがかった外壁の展示コーナーで、さまざまな外観の施工例を何気なく眺めていたときのことです。無意識に、私がいいと思った外観には、既に決めていた「白×ダークグレー」の組み合わせのものがまったくないということに気づいてしまったのです。
どちらかと言うと、ベージュやオレンジに近いブラウンなどの暖色系の明るい色を組み合わせた外観ばかりを「素敵だなぁ」と目で追っていました。
この時、「自分の本当の好みを外観に反映出来ていないのでは?」という気持ちが急激に湧き上がってきました。居ても立ってもいられなくなった私は、平日に仕事を早めに切り上げて、一人で外壁メーカーのショールームに再訪問しました。
その結果、やはりそこには好みの色がありました!前回は、白系とダークグレーの組み合わせにすると、なぜか頭で決めつけていたため、まったく目に入っていなかったのです。好みのイメージがはっきりすると、こんなに気になる対象が変わるのかと自分でもびっくり。
パソコンで外観を試行錯誤するのもいいですが、まずはいろんな外観の事例を見て、目指したいイメージを膨らませておくことの大切さを痛感しました。
今回の訪問で、私は納得がいくまでよく吟味できました。しかし、ショールームは妻を気軽に連れていけない場所なので、どのように外壁材の変更を理解してもらうか悩みます。
そこで、利用したのがショールームでのパース作成サービスです。一度目の訪問時には、知らなかったのですが、図面を渡して張り分け場所を指定すれば、無料でパースを作成してくれます。
自分でもパソコンを使って3Dパースを作成していましたが、一般向けソフトということもあって、プロが作成するような高画質のCG表現は困難でした。外壁メーカーにパース作成をお願いすれば、忠実な外壁のデザインや色の再現を高画質で仕上げてくれるはずです。これを妻に見てもらえば理解しやすいだろうと思いました。
本当は、アクセント色に使う外壁材をどれにするか、ほぼ気持ちは固まっていたのですが、3種類まで作成してくれるということで、3パターンでお願いしました。
しばらくして、郵送で届いたパースを見て、妻も外壁の変更に無事納得。幸い、温かみのある明るい外観のほうが、本当は好みだったそうなのです。一緒に工務店で外壁材のサンプルで最終確認し、一番明るいオレンジ系の外壁材に決定です。
白系の外壁材については、2種類の違ったデザインのものを使ってシミュレーションをしてもらいましたが、、これだと本当にくどくなってしまいそうです。ここで、断腸の思いで、白系の外壁材を一種類に統一することにし、太っ腹社長の忠告通り、2種類の外壁材に絞り込みました。
正面だけでなく、背面の張り分けもなんとか決めることができました。 前回で学んだ通り、出隅で色を切り替えないように考慮したのですが、今度は窓の位置が気になります。
色が切り替わるラインに窓がまたがっていると、どうにも不自然に見えます。こんなことなら、色の張り分け位置をあらかじめ想定して窓の位置を決めておくべきでした。
仕方がないので、窓を避けて張り分けることに。ストライプになるように、アクセントカラーを縦に張ってバランスを取っています。
家の外観を決めるのは、外壁だけではありません。かろうじて屋根の色は想定していましたが、まったくくノーマークだったのが、破風(はふ)と言われる屋根の側面の色でした。
インテリアコーディネーターさんから打合せで、「ハフはどうしましょう?」と言われたものの、名前に聞き覚えがないぐらいですから、まったく検討していませんでした。
コーディネーターさんによると、破風をダークな色合いにすると、スッキリスタイリッシュになるとのこと。言葉だけではイメージできなかったので、打合せの場に持ち込んだノートパソコンで、間取りソフトを立ち上げ破風に色を付けて見ました。
すると、確かに屋根に一体感が出て、驚くほど印象が変わりました。これもカッコイイかもと思ったのですが、その場でよく見比べると、わが家が選んだ外壁の風合いには、白が良く似合う気がしたので、そのまま白にしてもらうことにしました。
外壁の張り分けでは、どうしても対処しきれなかったのが、南面の外観です。部分的にアクセントカラーを入れられないか考えたのですが、凸凹がないとやはり不自然な張り分けでバランスが取れません。
真正面から見ると、屋根のラインも横一文字のまっすぐなので、まったくメリハリがない断崖絶壁となってしまいました。張り分けのある東面とは随分違う、飾り気のない外観を、どうにかできないかと悩んでいました。
そこで、検討したのが、バルコニーに小窓を付ける方法です。 わが家には、大きなロートアイアンなどをあしらった、オシャレなバルコニーにする予算はありませんが、小さな通風窓を付けるだけなら一カ所1万円以下で付けられることがわかりました。
確かに、小窓を付けるだけで単調な外観に表情が出て良い感じです。
しかし、結果的にバルコニーへの小窓の取り付けは不採用になりました。 というのも、小窓の脇から流れる黒ずみの汚れが目立たないか心配になってきたからです。
もちろん、すべてではありませんが、ときどき黒ずみが流れ出ているお家を見かけることがあって気になっていたのです。
また、壁に穴を空けて小窓を取り付けるということは、少なからず雨漏りの心配もある気がします。おしゃれなデザインとの引き換えですが、家の長持ちも考えてようやく外観に決着を付けました。
ところで、当時知っていたら外壁選びで、さらに悩むことになった知識を、建築後に2つ学んだのでご紹介します。
一つ目は、「縦の目地のあるサイディングは、継ぎ目が目立ちにくい」というポイントです。特に均等な格子状の目地があるデザインが目立ちにくいように思いました。
施工の都合上、サイディングでは、どうしても外壁材同士の継ぎ目となる目地が発生するのが一般的です。この目地には、コーキングという弾力ある樹脂製の目地材が充填されるのですが、時間が経過すると汚れが付着することもあって、継ぎ目が目立ってきます。
この継ぎ目の見た目が嫌だとサイディングを敬遠する方もいらっしゃるそうですが、あまり継ぎ目が目立たないお家もあるなぁと見ていたら気が付きました。 元々、サイディングに均等に縦のラインが入っていると、コーキングを充填した目地もあまり目立たないというわけです。
続いてのポイントは、「将来のサイディングの塗り替えを考慮して、プリント柄に頼らないデザインを選ぶ」です。
最近のサイディングは、複雑なプリント柄でリアルで風合いのあるデザインのものが多く、とても目を惹きます。しかし、サイディングの外壁を将来塗り替えるというメンテナンス方法を、あまり深く考慮できていませんでした。
一般的には、外壁の塗り替えは、一色で塗りつぶすことになるので、複雑なプリント柄が失われてしまい、単調な外観に変わってしまう恐れがあります。プリント柄を残すために、上からクリア塗装をする方法もありますが、見た目の劣化がないことが前提で、比較的早めに塗装しないと維持できないと聞きました。
これがわかっていれば、一色塗りでプリント柄がなくても、見た目が変わらないデザインの外壁材を選んでいたかもしれません。
凸凹の陰影だけで、十分デザインを表現している外壁材は、いくつも選択肢にあったんです。特に細かな凸凹表現のデザインのものが多かったように思います。 わが家は、もう今さら考えても仕方がありませんが、これから、サイディングを選ばれる方は、ぜひ参考にしてください。
〜編集後記〜
やはりイメージづくりって大切ですね。家を建てる前に素敵な住宅街を散歩して、自分の好みを探したというお話を伺ったことがあります。住宅展示場に行くのもよさそうですね。それにしても…張り分けで、全面メリハリのあるスタイリッシュなデザインにするのは大変!まっしんさんが書かれているように、外観を意識して間取りを考えるというアドバイス、また建築後にわかった経年変化を考慮した建材選びのポイントが、みなさんのお役に立つとうれしいです♪
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