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まっしん はやぶさ さん
関西から関東に転職を機にお引っ越し。関西で暮らしていた分譲の戸建ては賃貸に出すものの、住宅ローンの支払いは赤字に…。さらに関東での家賃も加わって…。
それならば!と、二軒目の家を建てることに。住宅ローンをできるだけ抑え、かつ、土地も建物も満足のいく家づくりに挑戦されました。コストを抑えるコツ、納得のいくまで調べられた知識をこの連載にまとめていきます。
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イラスト:天野勢津子さん
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大満足の間取りが完成したとはいえ、全く気になるところがないというわけではありません。中でも玄関入って正面のトイレの配置は、苦渋の選択でした。
借家でも玄関ホールの横がトイレだったのですが、何度か用を足している最中に玄関先に来客があって気まずかったことがありました。まさに、廊下のない間取りの弊害ですが、間取りの都合上、トイレはこの場所に置くしかありません。
わが家の工務店の太っ腹社長も、この1階のトイレが少し気になったようです。
「このトイレの配置ですと、玄関正面から便器がちょっと見えてしまいますね。あと、1階のトイレとしては、0.75畳は少し狭いと思います」
なるほど、開き戸を空けると、ちょっとはみ出たトイレが見えてしまいます。 来客中に、わざわざ大人がトイレに出入りすることはないかもしれませんが、子どもが出入りしたり、思わぬタイミングでチラリとお客様に見苦しい様子が見えてしまうかもしれません。 確かに、そんな事態は避けたいところです。
「1階のトイレとしては…」というのは、当時は利用頻度が高い1階のトイレなので快適にと理解していましたが、今思えば来客の方に使っていただく可能性も考慮してという意味だったのだと思います。
太っ腹社長いわく、横から入るタイプのトイレは正面から入るタイプより、出入りがしずらく、狭さが際立つそうです。なんでも、社長のご自宅が同じ0.75畳で横入りのトイレらしく、実感を伴った力説で、とても説得力がありました。
トイレが小さいことは設計した時点で気になっていました。 しかし、これは収納の少ない1階に、ちょっとでも物入れスペースをつくるための苦肉の策なのです。
太っ腹社長の忠告に、即答できず黙って間取りを眺めていたところ、「こんなのどうでしょう?」と目の前でササッと修正してくれた提案に驚かされます。
なんと、それは大胆にもホールスペースを削って、収納を確保。さらにトイレが一畳に広げられた案でした。
もともと広くないホールがさらに狭くなりますが、下駄箱と収納が同じ奥行きで壁面がすっきりしているので意外に大丈夫かも? 何より収納量のアップは、予想外で嬉しすぎるグレードアップです。
ただし、トイレやダイニングに抜けるドアの開閉がかなり窮屈そうです。ダイニング側にドアを開くと解決しますが、それは避けたいところ…と悩んでいたところ、今度は太っ腹社長から「引き戸にしちゃいましょう!」という提案が!
これで、開閉スペースがいらない引き戸の間取りができあがりました。
高いという先入観で、できるだけ引き戸を避けていたのですが、社長の好意でなんと増額なし!引き戸の活用で、限られたスペースをより広々と使える間取りに進化です。
次に、寝室の吹き抜け面に設置する予定だった観音開きの2連室内窓(詳細は第7回に)が問題になります。予算ギリギリのところで見積もり調整をしていたところ、この室内窓ひとつで7万円もすることを知らされます。これを2つも付けるとは、かなり贅沢な選択です。
普通の引違い窓に変更することで、大幅なコストダウンも可能ですが、観音開きの内窓に心を奪われていたので、それは悲しすぎます…。 そこで、観音開きの窓を一枚に減らして手を打つことにしました。
当初の2連窓にならないのは残念ですが、正直よく考えると2つ付ける必然性はありません。つい贅沢な選択をしてしまいそうになるのは、やはり金銭感覚を失っているのでしょうか…。
わが家の18畳のLDKは6畳の和室をつなげると、合計24畳もの大空間になります。実は密かに、この広い空間をより活かすための妄想がありました。
それは、4枚引き戸を採用して、リビングと和室の開口位置を自由にアレンジすることです。4枚引き戸を左右どちらかに寄せれば常に3枚分の大開口。さらに右・左に寄せた時、それぞれ違った気分が味わえるグッドアイデアです。
といっても、建具の価格が問題なので、様子を見ながら、どこかで言い出してみようと思っていたのですが…。
太っ腹社長から、またまた予想外の説明がありました。 和室とリビングを隔てる南側部分は、2階のバルコニーの真下にあたるため支えとなる柱と壁が必要とのこと。
確かに、6.5m以上のバルコニーを両側の壁だけで支えるのは大変不安です。大開口が可能な重量鉄骨構造などだと大丈夫なのかもしれませんが、木造住宅ですから仕方ありません。
ということで、4枚引戸で大開口スペースの妄想は脆くも崩れ去りました。それどころか、当初の予定通り3枚引き戸を採用しても、新たな悩みを生み出します。
バルコニーを支えるために必要な壁は、ちょうど3枚引戸の控壁の位置となります。 この控壁は、3枚の戸を重ねて収める空間があるため、壁自体は極薄です。この厚みではバルコニーの支える壁になりません。
このため、1枚分の壁厚を追加する必要があるのですが、その厚み分リビングか和室側のどちらかのスペースを削る必要があります。
これは、参りました。生活中心のスペースとなるリビング側は削りたくないので、和室側で調整するしかありません。せっかく、6畳の和室を確保したのに、中途半端な5.8畳の和室に縮まってしまいました。
畳の敷き方が、どうなるのか心配でしたが、「畳は特注サイズで合わせられるので大丈夫ですよ」という説明がありました。既定サイズのものしか使えないと思っていたのですが、規定サイズの設計の場合でも、畳屋さんが必ず実寸を測った上でぴったりに作成するそうです。このため、特注サイズでも問題ないとのこと。
そこで、最終的にはあえて、中央部分に4.5畳敷きにして、両端を板間にする方法を採用しました。恐らく本棚などの、ちょっとした家具を置く可能性が高いので、家具が乗る部分は板間の方が畳が痛まずに良いだろうと考えたからです。
さて、これで、いよいよ本当に我が家の1階と2階の間取りが固まりました。実際に建てられる家にするために、プロの手が入ると、こんなにいろいろと変わるものだと思い知らされました。せっかく自分で作成した間取りに変更が入ってしまうのは戸惑いますが、さまざまな制約を乗り越えて試行錯誤するのも楽しいですね。
次回は、住み心地に影響するこの間取りの採風の考え方と工夫のお話です。
〜編集後記〜
気になっていたトイレの広さがあっという間に解決。しかも玄関クローゼットまで追加されて。さすがプロですね。トイレと言えば…トイレを使用する時の室内への音漏れが気になるというお話をよく聞きますが、この間取りであればLDKから隔離されているので心配なしですね。玄関前でお客様から見えるというデメリットもありますが、生活空間から離れている、帰宅時にすぐにアクセスできるなど、玄関近くにあるメリットもたくさんあると思いました♪
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