収納プランニング-イエマガ

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「広くてシンプルな家」や「おしゃれにコーディネートされた家」は設計の段階で、その家のデザインセンスが映える収納が考えられているものです。収納と言えば「引き出しや棚のアイデア」や「きれいにディスプレイ」をテーマにした雑誌や書籍が注目されがちですが、新築やリフォームは、間取り・設計の段階で自分たちの部屋と同様に、すべての持ちモノひとつひとつに家の中をさまよわないような居場所の検討をする絶好のチャンスです。

まずは、サービスルーム（※）がどれぐらい必要かを検討してみましょう。これは使用頻度に合わせて考えます。年に数回しか使用しないものをリストにあげてみます。

上記のような年に数回しか使わないものであれば、部屋のスペースを広くとるために、主要生活空間から離れたサービスルームをつくったり、デッドスペースを有効利用した収納を検討してみてはいかがでしょうか（右表参照）。

※サービスルーム：建築基準法が認める居室としての要件を満たしていない部屋。納戸など

このキッチンに「小さなパーティースペースが欲しい」との施主の方からの要望に応えたプラン。もとは屋根裏だった空間を有効利用するために見せた梁がアクセントになり、間接照明や床の無垢のチーク材でとっておきの空間になりました。ここに訪れた人から「パーティー・プレイス・キッチン」と呼ばれているそうです。

間取りと収納を考えたリフォーム例を田中さんにお聞きしました。

「狭くてモノが溢れてきた６帖のダイニングキッチンをもっと広く、収納もたっぷりにして欲しいとの要望のリフォームです。

ダイニングキッチンの奥にあった３帖の納戸を壊して、９帖のダイニングキッチンにし、納戸にあったモノやダイニングキッチンの溢れたモノ、もらい物などを収納できるロフトをつくりました。ロフトをつくるために出た梁が空間に広がりを見せるダイニングキッチンになっています。

ほとんどの方がリフォームや新築を機に持ちモノを見直されますので、ヒアリングを行い、〈持ちモノ－処分するモノ＋増えるであろうモノ〉でプランニングします。

また、このようなサービスルームを利用した収納プランには他にも注意が必要です。

「ロフトで天井が高くなった分、ファンを付けるなど換気、温度調節への配慮が必要です。屋根裏は断熱をしっかりしておかないとかなり高温になることがあるので、プラスチック類は変形することもあります。また床下収納も湿気の強いお宅も多く見られるので、その場合収納できるモノが限られてきます。

また、なんでも入れられて便利な空間ですが、詰め込み過ぎず、どこになにが入っているかの把握がとても大事になってきます。奥行きがあるスペースでの出し入れ大変な作業になりますから」（田中さん）