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オン・オフの切り替えは、たぶん時間がかかるんですよね。ある程度、時間がかかるほうがいいっていうのもあるんですかね。門から玄関まで、玄関からリビングまで、ちょっと時間をかけたほうが切り替えができるっていうか。 |
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家に帰る前にちょっと寄り道して、飲みにいったりとかね(笑)。これは冗談ですけど。 |
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よく思うのが、夜、玄関に灯りが点ってるのがいいなって。温かい感じがしますよね。あんなふうにしたいなという憧れもあるんだけど、マンション暮らしが長いので、ちょっとその空間が無駄な気がしてしまうところもあるんですよね。実際に家を建てる方も、そこの部分の葛藤ってあると思うんです。 |
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土地の高いところはもちろんそうですね。玄関に機能以外のスペースを取りたくないっていうのは、すごくありますよ。特に建て売りの場合は。 |
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狭い家でも、玄関でオン・オフをうまくやっていく方法ってあるんでしょうか。 |
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狭くてもそれはできると思うんですよね。床やドアの素材を選ぶときに工夫するとか、照明の明るさに変化をつけるとか。
さっき、灯りとおっしゃったのがものすごくヒントになっているんですけど、蛍光灯の色を温かみのある色に変えたり、明るさの変化でウェルカムの気持ちを演出したりすることは、簡単にできると思いますよ。 |
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それだったら広さに関わらずできますね。 |
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そのときに大事なのが、光と影なんです。全面的に明るいと広く見えません。 |
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ああ、なるほど。ということは、上からトップライトで照らしてしまうのは、あんまり良くないんですか。 |
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もしやるのであれば、狭い光。ピンスポットで落とすのがいいですね。暗いところと、明るいところを作ってあげるんです。奥行きができるし、自分がそのスポットの中に入っていくイメージがいいですよね。 |
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それ、いいなあ。 |
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通りすがりに見てもかっこいいですよね。 |
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これは夜の演出ですけど、昼間もやっぱり陰影だと思いますよ。どうやって作るかといったら、たとえば植物を使うとか。 |
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玄関に緑や花を飾るって、難しいですよね。ごちゃごちゃ置くとあんまりきれいに見えないですし。 |
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昔のね、塀の上もそうだし、路地みたいなところで、鉢物をいっぱい置いているところってあったでしょう。あれの上手な人と下手な人との見分け方っていうのは、季節感なんですよ。
朝顔の季節に朝顔が咲いていること。で、その季節が終わったときにちゃんと手入れをしているってこと。出番が終わった物は陰に置いて、つぎの季節の物に変わっているところは素敵だなって思いますね。僕はね。 |
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