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丁畑仁美
兵庫県西宮市にあるガーデン工事から花の販売まで行う中野農園のガーデンショップ「Orange Berry(オレンジベリー)」の店長。
店内では植物の販売に、庭や玄関に飾るオリジナルの寄せ植えを作成。また、植え方、育て方などの相談に答える。人気のハンギングバスケットの講習会も園内にて開催
・エクステリアプランナー
・造園施工管理技師
・ハンギングバスケットマスター
HP http://orangeberry.net/
http://www.facebook.com/
orangeberry8783
バラは冬の寒い時期に剪定をすると聞きましたが、どの枝をどのように剪定したら良いのかわからず苦手です。自信がないのでなかなか切ることができません…。
今年の冬は例年になく寒さが厳しいように思いますが、葉をすっかり落としたバラの枝に赤い新芽がポツポツと膨らみだしている様子を見ると、土の中ではちゃんと季節は前に進んでいるようです。
最も寒さの厳しい2月ですが、土の中で休眠していた根が目覚める頃です。3月に入って根が動き始めると、蓄えられていた養分が一斉に芽吹きのための活動を始めます
冬の剪定は、バラの休眠中であればいつでも行なえますが、新芽が動きだす直前の2月中旬から3月上旬頃までが適期です。不要な枝を切り落とし、良い枝に養分を集中させることで春の花を美しく咲かせるための大切な作業です。
前年伸びた枝をそのまま切らずにしておくとさらに枝を伸ばし、花は高い位置だけに付けることになってしまいます。
特にブッシュタイプ(第49回『バラの樹形4タイプ』参照)のバラはコンパクトに仕立てるのがお勧めです。開花したときの花の高さにばらつきがあると見た目もよくありません。株全体の姿(樹形)が美しくなるように整えることも大切です。
また、葉が展開し始めると株の内側は予想以上に葉が込み合ってきます。剪定によって風通しをよくすることで病害虫のリスクを減らすことができます。
バラは毎年新しい枝(シュート)(第50回『シュートを伸ばす』参照)を出し、古い枝は朽ちてゆく【更新】を繰り返して成長するタイプの樹木です。枯れた枝や古くなった枝、細くて弱い枝を剪定することで必要以上に多くの芽に養分を取られなくなるので花の質を高めることができます。
先ず不要な枝を整理する(※1)ために大まかな剪定をします。枝についている葉は春先の黒点病の発生源になるので必ずすべて取り除きます。次に若くて太く、元気の良いものを3〜6本程度残して他は株元から切り取ります。
残した枝は地上30cm〜40cm位の高さで株元から3、4芽を残して剪定します。株の中心に対して外側に向いた芽の上で剪定します。。切り口に雨水が溜まらないように芽の少し上を斜めに切ります。
古い幹の途中から出たサイドシュート(※2)は伸ばし、古い幹は切り取りましょう。
全ての誘引を外して、新しいベーサルシュート(※3)から順に必要な幹を確保して、古い幹は元から切り取ります。
幹の数が少ない場合はサイドシュートを活用します。足元がさびしくならないように、低い位置の細枝は残しておきましょう。古い幹には前年の開花枝が残っているので、2芽残して切ります。
残した幹のうち、古いものから構造物に誘引していきます。誘引する際は水平から45度の角度に寝かせるようにして誘引していきます。
先端にある芽を優先して成長するバラの【頂芽優勢ちょうがゆうせい】という性質を利用し、寝かせた幹から新しい枝を出すようにします。そうすることでそれぞれの枝に花を付けることができるので花数が多くなります。
水平以下にしても花数は減るので、角度は水平以上にしましょう。また、枝が混み合い過ぎないように、幹と幹の間隔は20cm以上あけましょう。株元から順に誘引していき、最後に先端は30cmほど切ります。
2月下旬ごろから剪定を済ませたものに有機質の肥料を施します。鉢植えの場合は鉢の縁際少し穴を掘って埋め込みます。庭植えの場合は株元を中心に半径30cm程度の周囲に2〜3カ所穴を掘って埋め込みましょう。
たとえ上手に剪定ができなくてもバラが枯れてしまう心配はありません。花数が増え、美 しい花が咲くのですから思いきってトライしてみましょう。その経験は必ず翌年の役に立ち、バラを育てるあなたの自信につながると思います。
誘引し終わると、つるバラの枝を見ているだけで春の花咲く雰囲気を想い描いてしまいま す。さあ、今年は格別に開花が待ち遠しく感じるのではありませんか?
※1 不要な枝
どのタイプのバラも次のような枝や幹は付け根から切り取りましょう。
(1)枯れた枝
(2)弱々しく細い枝
(3)株の内側に向かっている枝(ふところ枝)
(4)交差した枝や平行に並んだ枝のどちらか一方
(5)一カ所で枝分かれしている場合はまず新しい枝、次に太い枝を残す
(6)ひこばえ(※4)
(第15回の『不要枝の種類』参照)
※2 サイドシュート:
シュート(新芽の枝)のうち、すでに生えている幹から伸びるもの。
※3 ベーサルシュート:
シュート(新芽の枝)のうち、クラウン(接ぎ木した部分)から直接伸びるもの。
※4 ひこばえ:
販売されているバラの苗は、強健な野生のバラ(ノイバラやイヌバラ)を台木にして園芸品種を接ぎ木しています。このためクラウンよりも根元側から生える枝は野生バラの枝なのでひこばえは必ず根元から切り取る必要があります。
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