家事に育児に仕事に……毎日忙しいお母さんのホンネとは? 「お母さんのひとりごと」は、一般公募で選ばれたお母さんたちによるリレーエッセイです。
主人の転勤で、住み慣れた土地を離れて半年。
都会生活を謳歌している主人を横目に見ながら、私は日々家事と育児に大忙し。
おまけに年中・年少の娘たちは顔を合わせれば痴話げんか。
仲良く遊んでいても5分と経たないうちに、軍鶏の決闘のごとく姉妹げんかが始まる。
加えて、1歳の息子は姉たちに甘やかされた泣き虫王子。後追いも手伝って、一日の大半は抱っこかおんぶで過ごしている。
そんな子供たちを怒鳴ったり追い掛け回したりしているうちに一日が終わってしまい、珍獣(!?)たちを寝かしつけながら、最近自分の時間が持てていないなぁと虚しくなることも。
朝から晩までバタバタと動き回っても、誰かが褒めてくれるわけでも労ってくれるわけでもなく、あろうことか小言攻めにされた娘たちは「キャー! 怪獣ママだ〜!!」とのたまう。誰のせいよ! とまたまた私は怪獣に変身するのである。
ある日、娘たちを園へ送った帰りのこと。
両手に買物の荷物を持ち、抱っこひもの中でウトウトしている息子を見ながら歩いていた私は、歩道のくぼみに気づかずはまり込み、思いきり足首を捻挫してしまった。
しかも反対側の膝もアスファルトで強打。目の前の停留所ではバスの中からみんなが見ているではないか。痛みよりも格好悪さから、とりあえず何ごともなかったかのように家まで帰った。
ひとまず膝の様子を見ようとジーンズの裾をあげると、何十年ぶりかの深い擦り傷。いそいそと消毒を済ませたが、捻挫の方までは手が回らなかった。
翌日、捻挫した方の足首はパンパンに腫れ上がっていたが、息子が朝から熱を出していたため病院へも行かず、その後もズルズルと放置すること1週間。
やはり治らないので、かかりつけの病院へ行きレントゲンを撮ると、「骨折していますねぇ」とのこと。
「1週間もこの状態でどうやって生活してたの?」と、呆れた様子で話す先生に「お母ちゃんは大変やなぁ」と労いのお言葉をいただいた。
かなり痛い思いをしたが、その一言でなぜか爽快な気分になった。
すぐに大きな病院への紹介状を書いていただき、再診。
結果は骨折に加え、靭帯も切れているということで、約1か月のギプス生活が始まった。
しかし、気掛かりなのは翌週に控えた年少の娘の親子遠足。
病院の先生に「できるだけ軽装でお願いします」と無理を承知でお願いすると、ギプスにヒールらしきものを付けてくれた。
おかげで松葉杖なしで遠足にも無事参加し、今は運動会までにキプスを外してもらえるよう懇願中である。
母が巨大なブーツを履いているからといって、子供たちは容赦ない。
相変わらず娘たちはけんか三昧、息子はピーピー泣きながら後追いをしているが、怪我をしたことで見知らぬ人に親切にしていただいたり、幼稚園のママとギプスネタで仲良くなれたりと、思いがけない恩恵も受けた。
自分の時間がない、誰も評価してくれないとくさっていた私だけど、もう少し頑張ってみようかなぁ、とすっきりと晴れた秋空の下で、洗濯物を取り込みながら思った。
◆前回の執筆者からの質問
「子供が嘘をついたとき、どうやってしかりますか?」への回答◆
まだまだ小さいのでバレバレの嘘をつくことがほとんどですが、本当のことを話してくれるまで根気よく聞くようにしています。その都度嘘はいけないと繰り返し伝えていますが、子供なりに親を悲しませたくない気持ちからつく「優しい嘘」もあるみたいで、そんなときは胸がキューンとなります。
隙間時間の上手な使い方があれば教えてください。
でんでんむしさん
大阪府在住。33歳、専業主婦。夫(34歳)、長女(5歳)、次女(3歳) 、長男(1歳)の5人暮らし。
「お菓子を作ったり雑貨を作ったりするのが好きなのですが、なかなかそのための時間を取ることができません。今は雑誌に載っているステキなお部屋を参考にしたり簡単に作れるお菓子のレシピを収集したりと、自分時間ができた時のためのアイドリング中です」