家事に育児に仕事に……毎日忙しいお母さんのホンネとは? 「お母さんのひとりごと」は、一般公募で選ばれたお母さんたちによるリレーエッセイです。
忙しい……。
仕事・家事・育児に加え、保育園の役員(副会長)、家の建築、そして旦那の世話に追われる日々である。
6才になったばかりの息子は毎日元気に保育園へ登園しているが、まだまだ手が掛かる。登園の準備や、持ち物の準備、連絡ノートの記入と、朝は分刻みのスケジュールだ。
それでも、毎日楽しく、新築中の家を一緒に見にいったり、いらないおもちゃを整理したりと、自分なりに考え、楽しくやっている。
問題は旦那である。
旦那は「超」天然系である。近所の友達からも、「奇跡の人」と呼ばれるほどの天然ぶりだ。
先日も、息子の誕生会を近所の人も呼んで盛大に行っている最中、電話が鳴った。すると旦那は真顔でドアインターホンをとって「もしもし?」と真剣に言っているのだ……。
7年間住んでいる家である。
家の建築にしても、打ち合わせ時に“建坪率”を“扁平率(へんぺいりつ)”と言ったり、“コントラスト”のことを“グラデーション”と混合していたり……。
聞き間違いや言い間違いではない。真剣にそう思っているのだ。
出会った頃も、ショッピングセンターでの待ち合わせに「ケンタッキー」を指定したら、「洗濯機」の前でしばらく待っていたほどである。当然家の打ち合わせも、旦那がからめばからむほど進まない……。
そんなこんなで当然、靴下や食器も所定の位置を守れない日々である。先にも言ったが7年間同じ場所に住んでおり、しかも2DKの小さなマンションである。
家の新築は着々と進んでおり、もうすぐ上棟を迎える(もちろん旦那は“上棟”なんて言葉の意味も知らない……)。
そんな旦那も一国一城の主になる気持ちだけは十分持ち合わせており、嬉しそうに友人達に家ができることを自慢している。疎遠になっている両親も、家が完成したら遊びに来るらしい。
妻として、縁の下の力持ちを演出すべく、設計の段階から、旦那でも整理整頓しやすい家を念頭に置き、そのほかの収納スペースについても大分気を遣ってきた。
私自身、日々の生活に追われ、フルタイムで働きながら、バリバリ保育園のこともやり、近所とも仲良く、子供と遊ぶ時間も惜しまない……。
結果、家事は後回し。玄関を入ってリビングまでの廊下はまるで「獣道」(けものみち)である。それでも、子供は友達を呼び、友達も「ぐちゃぐちゃだから楽しい」とうちに集まってくれる。
結局、旦那のためと思って考えた間取りも、自分のためだったことを最近改めて感じる。
天然系の旦那と、楽しいご近所さんに囲まれ、幸せといえば幸せである。
20代のころ描いていた“セレブ”な生活とは程遠いが、笑いの絶えない家庭と、誰もが気軽に出入りできる家づくりを目指したい。
◆前回の執筆者からの質問
「ご主人との2人の時間、どのように過ごしていますか?」への回答◆
正直、家事に追われています。週末まで膨大にたまった洗濯、獣道の掃除。希望としてはゆっくり映画でも観に行きたいですが、家でDVDでも見るのが関の山。しかも双方の両親が遠方なので、2人っきりの時間は本当に少ないです。たま〜に子供を近所に預け、スーパー銭湯に行ったりします。でも、もっと二人の時間をつくるために、建築中の家には食洗機をつけました。ちょっとは二人の時間ができるかな……?
子供の写真の整理、どうしていますか?
みかんさん
32歳、兼業主婦。愛知県在住。夫(39歳)、息子(6歳)との3人暮らし。
「楽しいご近所さんに囲まれて、家には常に誰かいる状態。子供たちとバルーンアートをしたり、空き箱を集めて製作をしたりと、楽しい毎日を過ごしています。自分の時間がつくれないのが難点ですが、子供と遊ぶ時間を自分の時間としてとらえるようにしています」