家事に育児に仕事に……毎日忙しいお母さんのホンネとは? 「お母さんのひとりごと」は、一般公募で選ばれたお母さんたちによるリレーエッセイです。
独身のころの私は、「出産したら1年後には職場復帰する!」と堅く心に決めていた。
実際、息子が1歳2か月のときに契約社員になり、フルタイムの仕事を始めた。
今までこなしていた家事・育児に加えての仕事は正直しんどかったけど、それ以上に充実感でいっぱいだった。
契約満了目前で2人目の妊娠がわかり、契約期間が終わるのと同時に仕事は辞めた。
独身の頃とは違い、母となってから働いてみたことで、今までとの違いにいろいろと気づいた。
自分が元気でも息子の体調が悪ければ仕事に行けないし、そんな状況をわかってくれる職場の同僚の理解が何よりもありがたかったし、必要だった。
自分の頑張りだけではどうしようもない状況が次々と起こる中での「社会復帰」は、学ぶものが多かった。
次男の出産後は気持ちの持ち方が変わった。
仕事は、この先子供がある程度大きくなれば、いくらでも働ける。
だけど、子供の幼いかわいい盛りは今しかない。
それならとことん子育てに専念しよう!!! と。
子育て関連のセミナーがあればどこへでも行って参加したり、一日の中で少なくとも午前中は子供と目一杯遊んだり、手作りのおもちゃやお菓子を作ったり、人見知りな気持ちを抑えて友達の輪を広げたり、絵本をたくさん読んであげたり……。
些細なことだけど、自分にできることはすべてやった。
毎日子供と接する中では、腹が立つことや怒鳴ってしまうこともあるけれど、寝顔を見るとそんなことが吹っ飛んで、翌日にはまた気持ちがリセットされる。
日々少しずつ成長があり、何気ない毎日の中に思いがけない発見が溢れている。
仕事をするのも悪くないけど、こんなにドキドキがいっぱいの毎日を見逃すなんてもったいない。
自分の目で見て、体で感じて、子供と一緒に大きくなっている。
私の子育てはまさしく『育自』(いくじ)だ。
今年6歳、4歳、2歳になる息子たちと、子煩悩を絵に描いたような主人と、そして私。
「今」しかない「今」を大切にしながら、家族一緒に歩んで行けたらいいなと感じ入る今日この頃です。
◆前回の執筆者からの質問
「子供との今までで一番印象深い思い出を教えて下さい」への回答◆
次男(みく・3歳)が床に落ちているものを食べようとしたとき、長男(たく・5歳)が「落ちているものを食べちゃダメだよ」と注意しました。次男が「いいの!」と言って再び口にしようとしたとき、長男が「みっくんのおなかが痛くなったらお母さんが悲しくなるよ。みっくんはお母さんの大切な宝物なんだから!!」と言ってきっぱりと食べるのを止めてくれました。
普段から「たく・みく・りく(三男・1歳)はお母さんの大事な宝物だよ」と言っていましたが、まさかこんな場面で長男が口にするとは思いませんでした。
子供の誕生日はどんな風に祝ってあげていますか?
稲葉グルミットさん
33歳、主婦、静岡県在住。夫(34歳)、長男(5歳)、次男(3歳)、三男(1歳)との5人家族。ただ今、家づくりに向けて勉強中。「見学会めぐりが趣味になりつつあります。でも一番の楽しみは子育てです」。