家事に育児に仕事に……毎日忙しいお母さんのホンネとは? 「お母さんのひとりごと」は、一般公募で選ばれたお母さんたちによるリレーエッセイです。
小学5年の息子が、学年行事の手紙を持って帰ってきました。
息子が通う学校では、学年ごとにPTA役員の方が協力して、さまざまなイベントを行っています。
今回は、平日の午前中を利用して「うどん作り体験」をするそうです(ここの小学校の特徴のようで、学校と保護者が協力して楽しんでしまうところがあります)。
そのイベント会場となる施設への送迎にご協力いただけませんか、という内容でした。施設から出る送迎バスだけでは、全員が乗れないらしいのです。
「う〜ん、どうしようかなあ?」
平日ですので、どうも足が重いです。
でも息子は「お母さん、ぜひ来て」と、いつになく誘ってくれました。いつもなら、「どっちでもいい」というのに。
せっかく来てくれることを楽しみにしているようなので、仕事を休んで参加することにしました。
当日、息子は気の置けない仲間何人かを連れてきて、一緒に私の車に乗ることになりました。
5年生といっても、まだまだ子供です。大はしゃぎで騒いでいました。
息子も一緒になって、ふざけたりおかしなことを言ったり、楽しそうでした。
息子は、家ではあまり友達とも遊ばないタイプです。
親としては、多少「遊びすぎ」と叱れるくらい、もっと外に出て遊んでもらいたいと思っていますが……。
なので、学校では寂しく過ごしていないかと心配していましたが、少し安心しました。
学校生活での息子の態度と、家での態度が少し違う感じもしました。息子のもう一つの面を見たような気がしました。
手作りのうどんは、きしめんみたいなものもあり、うどんからかけ離れた形あり、それはそれで手作り感があって、気持ちがこもったおいしさでした。
子供たちは、帰りも車の中で大はしゃぎして、学校へ帰っていきました。
私の方は、知らないうちに子供たちに気を使っていたのでしょうか。子供たちを学校に送って自宅に戻ると、ぐったり疲れてしまいました。
さて、夕方、息子が帰ってきて、今日の学年行事のことが話題に出ました。それから……。
「ぼくな、いじめられてるかもしれん」
「えっ?どういうこと?」
緊急事態です。
息子は、ぽつりぽつりと話し出しました。
私は「なんで、もっと早く言わなかったの? 知ってたら先生にも言えたし、その子にも言えたかも知れないのに……」と言って、はっとしました。
私が学年行事に参加して、ちょっと学校生活に近づいたことで、言えたんじゃないかと思ったのです。
よく話を聞くと、やり返したりもしてますし、相手の子の気持ちもよくわかりません。
でも、息子にとってはつらかったようです。
「我慢してたんだね」と言うと、「うん」とうっすらと涙を浮かべていました。
その後の息子は、なんだか晴れ晴れした様子でした。
気が乗らない学年行事でしたが、行ってよかったと思いました。たまには思い切って、子供の学校生活に首をつっこんでみるのもいいと思いました。
◆前回の執筆者からの質問
「あなたの、今一番の「至福のひととき」はなんですか?(子供のこと以外で)」への回答◆
昨年から飼い始めた犬の世話をしているときです。雑種犬で外で飼っていますが、いっしょに暮らしているとかわいくて、時間があると世話をしています。毎日の日課は散歩で、犬も私も楽しい時間です。
子供との今までで一番印象深い思い出を教えて下さい
ひろみさん
36歳、自営業。徳島県在住。夫、夫の両親、子供2人(小学5年生の息子と小学3年生の娘)と家族みんなでかわいがっている犬1匹と暮らす。