住まいの中で一番物の密集度が高い場所はキッチンです。
1畳分のスペースに細々とした物がたくさん収められています。
お客様の住まいに行って一番片付けに時間が掛かるのがキッチンなのですが、要不要の見極めをするだけでも随分時間が掛かります。
キッチンのプランを立てる前に、現在お住まいのキッチンにある必要な物がどれとどれで、またどのくらいあるのかをしっかり把握して下さい。プラン作りには、キッチン用品や家電、食器、ストック用品など、それぞれどれくらいのスペースが新築に必要なのかが大切になってきます。
昨今、キッチンは開放的で見た目も素敵なオープンキッチンにする方が増えています。キッチンショールームやモデルハウスに行くと、カッコよくて憧れる人も多いと思います。しかし、ご自分の生活習慣、キッチンスペース、物の量などから、本当にご自分の住まいにとって適しているのかを考えてみて下さい。
キッチンの物が少ない方や、キッチンスペースが広く取れる方、また片付けが苦にならない方ならオープンキッチンでも快適にかつ素敵に暮らせることができると思います。
しかし、片付けが苦手な方や物が多い方、キッチンスペースが十分に取れない方は少し考えてみてください。キッチン上部のキャビネットがない分、現在上部にしまっている物を収納するスペースを確保する必要があります。
まずキッチンプランを立てるとき、現在の物が全部収まるかどうかを考えてみてください。理想は物を収めた上で、まだ20〜30%スペースが余っていることです。
食器は、長年暮らしていくと増えていく物ではありますが、使っていない食器もたくさんあると思います。ご自分の家ではどれくらい必要なのかを把握しながら、スペースを決めていきましょう。
ストック用品を収納する場所も確保しましょう。少し多めに食材を買っただけで収まりきらず、床に物が出てくるようであれば収納場所が不足していると言えます。
私がお勧めしたいのは、収納庫を造ることです。どこの家でもストック類は多く、いろんな場所に点在している場合もあります。ストック類は1カ所にまとめ、見やすく、取り出しやすく、把握しやすくするためにも、横幅30p×180pの収納庫があるだけで家事が便利になると思います。
最近は家電も大型化しているので、そのスペースが入る場所も確保しましょう。特に子育て世代であれば、将来的に冷蔵庫を大きな物に買い替える可能性があります。
私が設計する時には、冷蔵庫スペースは横幅80pを取るようにしています。
オーブンレンジも大型化しているので、開口部も広く取らなければ熱がこもってしまいます。
家電収納棚は奥行きが大切で、これまでの販売されていた物は奥行きがあまりなく45p程度の棚が多いのですが、少しでも大きめのオーブンレンジでは棚に乗らなくなります。
現在お持ちの家電を参考に、また買い換えることも考慮してスペースを考えた方が良いと思います。
主婦にとってキッチンは効率良くお料理を作りたい場所です。
洗う、切る、料理するなど、効率良く作業ができるように動線を考えましょう。スッキリ暮らすためには物の把握と物の置き場所で決まります。
・食器や調理用品の把握
・家電の種類や大きさを調べる
・ストックを入れるための場所を確保
・作業効率を考える
素敵なキッチンになるように、このようなことに気を付けながらプランを立ててみてください。