道田 聖子
スウェーデン人のパートナーと住まいとインテリアのデザイン会社「Aj! design(アイ!デザイン)」を経営する。毎年、夏にはスウェーデンのアネヒルのコテージで過ごす。著書に『自然のなかのやさしいデザインたち』『北欧のなつかしいモノ暮らし』(共にインターシフト発行)。
スウェーデンの人たちは、美しいガラス製品が大好きです。食器はもちろん、キャンドルホルダー、花瓶、オブジェなど、日常にガラスが登場しない家など1軒もないのでは!と思うほどです。
スモーランド地方に、ガラスの王国と呼ばれているエリアがあります。大小様々なメーカーが小さなエリアに集中して集まっていることからそう名付けられたのです。ガラス作りに火は欠かせない存在。その火を絶やさないための燃料となる薪が、この森深い地方では豊富だったことから、その歴史は始まったと言われています。
スウェーデンのガラスメーカーの中で最も有名なのは、KOSTABODAでしょう。以前このショールームを見学した時のことを、今も鮮やかに思い出すことができます。
それは、赤い家々の並ぶとても小さな田舎町にありました。こんな素朴な場所で、こんなにも素敵なガラスが生まれるの!?というのが最初の正直な感想。そこは、デザインも技術も様々な、実に豊かなガラスの宝庫。まさにガラスの王国の心臓部だったのです!
ショールーム横のショップでは、とにかくたくさんのガラス製品が並んでいます。新作を見るのはもちろんワクワクしますが、昔からの愛用者としては、過去のシリーズが、きちんと継続して製造販売してくれているのも嬉しいのです。
例えば、6セットのうちワイングラスが一つ欠けてしまった、なんて時にもすぐにまた手に入るのですから。また、お得なB級品のコーナーもあり、スウェーデン国内はもちろん、ドイツなどの近隣諸国からの観光客にも人気なのも頷けます。
また、敷地の中に併設している工房の見学も可能です。その日は外気温マイナス10度。にもかかわらず、Tシャツ一枚で作業する職人さんたちの熱い仕事ぶりには感動でした。
このメーカーでは、同じ敷地内にデザイナーたちの事務所があるので、デザインが思いつけば、すぐに歩いて工房へ出向き、職人さんたちと直接相談しながら実際に試作することができます。
デザイナーと職人さんたちが、とても近い関係にあり、意見交換をしながら、改善しつつより良い製品に近づけていく、というプロセスがとても自然に行われていたのも、印象的でした。
冬のガラス王国を訪れたからでしょうか。ガラスは夏のものという私のイメージは完全に覆され、スウェーデンの長い冬の間の、光る一筋の希望のような美しいガラスは、以来、私にとっては冬から生まれたものとして心に存在するようになりました。
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