道田 聖子
スウェーデン人のパートナーと住まいとインテリアのデザイン会社「Aj! design(アイ!デザイン)」を経営する。毎年、夏にはスウェーデンのアネヒルのコテージで過ごす。著書に『自然のなかのやさしいデザインたち』『北欧のなつかしいモノ暮らし』(共にインターシフト発行)。
スウェーデンのダーラナ地方は、スウェーデン人の人にとって、最もスウェーデン的な風景やライフスタイルを垣間見ることができる地方として知られています。
ダーラナ地方の有名なものと言えば、あのダーラナホース。そして、スウェーデンの外壁に多く見られるあの赤い塗料もこの地方から生まれたものです。 牧歌的な素敵な田舎は、どこを切り取っても美しく、ドライブしていても目に気持ち良い風景が続きます。
そんな場所に、20世紀初頭から続く歴史ある生地屋メーカー「ヨブズ社」があります。スウェーデンのテキスタイルデザイン界に、大きな影響を与えてきたヨブズ社は、家族経営の小さな工房からスタートした、ハンドプリントのテキスタイルを製造デザインする会社です。
その色の美しさ、シルクスクリーンならではの温かみのあるデザイン、生地のクオリティー、すべてが素晴らしいのです。私がダーラナ地方のヨブズ社を訪ねたのは、随分と前のことですが、今でもはっきりとその時の感動を思い出すことができます。
それは、快晴の夏の日でした。大きな湖が見渡せる美しい場所にショップと工房が並んでいました。まるで、別荘に相応しいような素敵な場所。店内に入ると、平屋の三角屋根の天井が程よく高く、湖に面した窓からの採光が明るく差し込み、テキスタイルに描かれたカラフルな植物はより一層輝くように美しく、生地の良い香り(*上質な生地は独特の気持ちの良い香りがするんです)が身体を包んでくれました。
実は私が、ヨブズのテキスタイルを初めて見たのは、ストックホルムの街中のセレブな通りにあるお店でした。その時「なんて美しいんだろう、さすが一流品!」と感激したのですが、こうしてその生まれ故郷ダーラナに来てみれば、それはあまりに薄っぺらな感想であったことが分かりました。
それは、きちんと地に足のついた暮らしの中からこそ生まれたデザイン。とてつもなく純朴で、良きものを当たり前に正しいこととし、それをどんな時も忍耐強く繰り返してきた、その結果が織りなした、特別な日用品であるという事実を目の当たりにして、初めて心が震えるほどの本当の感動を覚えたのです。
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