道田 聖子
スウェーデン人のパートナーと住まいとインテリアのデザイン会社「"Aj! design(アイ!デザイン)」を経営する。毎年、夏にはスウェーデンのアネヒルのコテージで過ごす。著書に『自然のなかのやさしいデザインたち』『北欧のなつかしいモノ暮らし』(共にインターシフト発行)。
スウェーデンを語る際に、私の中で欠かせない存在がファルモルです。スウェーデン語で、farmor(ファルモル)は「おばあちゃん」のこと。
具体的に言えば、父方の母のことです。スウェーデン語では、Farは(ファル)父、mor(モル)は、母の意味です。ちなみに、mormor(モルモル)でしたら、母方の母のことになります。
夫のファルモルは、スモーランド地方の小さな村に住んでいました。7年ほど前に93歳で天に召されましたが、それまでの間ファルモルには、古き良き時代を生きた人の真の強さ、優しさ、日々の暮らしぶりについて、多くのことを教わった気がしています。
生まれてから最期まで、その土地を一度も離れることなく、家族のことだけを考えて生涯を遂げたファルモル。現代のスウェーデン女性とは、ある意味かけ離れた保守的な生活をしてきた女性です。
そんな彼女の孫である夫が、遠く日本の国へ行き日本人のお嫁さんをもらうと知った時は、もうそれは衝撃的だったようです。しかし、初めて会った日、緊張している私をハグし温かく迎え入れてくれ「なんだ、日本人てどんな人かしらと思ったけど、意外と普通なんだね」と言って、私たちを笑わせてくれました。
ファルモルの若い頃は、世界的な戦争の時代も経験し、スウェーデンも今ほど豊かではなく、食べ物や生活の苦労もあったといいます。ファルモルは、人生の後半、病気で片足を失いました。しかし、そのことで家族に暗い顔で愚痴をこぼすことはなかったのです。それよりも、現状を受け入れ、さらに暮らしを良い方向へ持って行こうとする姿勢に、家族は何度も救われてきました。
次回からは、そんなファルモルから教わった暮らしについて、お話ししたいと思います。
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