道田 聖子
スウェーデン人のパートナーと住まいとインテリアのデザイン会社「"Aj! design(アイ!デザイン)」を経営する。毎年、夏にはスウェーデンのアネヒルのコテージで過ごす。著書に『自然のなかのやさしいデザインたち』『北欧のなつかしいモノ暮らし』(共にインターシフト発行)。
北欧と言えば、サーモン!それから…鱈(たら)?それ正解です!
でも、もっと身近で手頃な庶民の魚と言えば、ニシンやイワシ。大きくは同じ科に属するとはいえ、実は種類も色々なこれらの魚ですが、一般の家庭のお母さんたちは、実にざっくりとサイズで呼び分けたり、料理で使い分けたりします。夫のママいわく「大きめのものはニシンだし、小さいのはイワシって私は呼んでるわね」とのこと。ふむふむ…。
スウェーデンの食卓にもよく登場するイワシ、青背の魚は本来少し苦手な私ですが、スウェーデンで食べる小魚は、もう本当に大好き!
魚の鮮度にももちろんよると思いますが、臭みが少なくあぶらのノリも適度で、シンプルに塩でソテーしただけで、いくらでもいけてしまいます。
最初にこの魚が好きになったきっかけは、夫の家族とママの実家のフィンランドをともに旅したときのことです。彼女の出身はカスケという、小さな港町。新鮮なイワシが日常的に水揚げされる町で育ったママと一緒に、家から港までカゴをさげてゆき、目のキラキラしたイワシをごっそり100匹近く買って帰りました。
そして、庭に移動し新聞紙を広げると、彼女はまるで漁師さんのような手際の良さで、次から次へとイワシを手開きしていったのです。裁き終わり、コーヒーとクッキーで小休憩を挟んだあと、待ちきれないようにママは早速、塩をして、粉をはたいたイワシをたっぷりのバターでソテーしていきました。
キッチンにお皿を用意し、ママが焼く側から熱々のイワシを食べたときの、あの美味しさったら!
夢中で食べていると、外で何やら騒がしい鳴き声が。キッチンの窓の外をふと覗くと、サウナ小屋と夏の庭が見えました。
そして、たくさんのカモメたち。いつのまにか、港町のカモメが集って、新聞紙にいっぱいのイワシの頭や内蔵のご馳走を食べに来ていたのです。
知らないはずなのに、どこか懐かしいようなあの光景、そしてフィンランドのママのイワシのソテーの味も、私は一生忘れることはありません。
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