スウェーデンの人たちにとって、フィーカ（一日のうちに２〜３回するコーヒー＆お茶タイム）は、とても大切に守られている習慣のひとつです。

ちょっとお近づきになりたい、気になるお相手にいきなり、ランチを誘うよりも「フィーカしませんか？」と声をかける方が、誘う方も誘われる方も、良い意味で敷居が低く、親しみやすい印象にもなります。

夏の森の家のご近所さんに、ホーカンさんという自称『自治会長』的な存在の楽しい夫婦がいるのですが、ある日このホーカンさんの発案で、「近所の人を集めてフィーカをするから、ウチへ来てね！」というお誘いが、お隣から隣へと、伝言ゲームのようにして廻ってきました。早速指定された日時に出向いて見ると…。

「今日の会場は、あそこだよ」とホーカンさんが指差す先には、庭の中にある赤い倉庫。正確には、むかし住んでいた農家の人が牛を飼っていた小屋です。今はホーカンさんが、自分でリフォームして、ゲスト用のパーティールームとして使っているのだそうです。

中に入って見ると、白くペイントされた広々した倉庫の中には、蚤の市で買った家具や手作りのベンチなどが、使いやすいように配置され、キャンドルの灯りもコージーで、とってもいい感じ！家の中とはまた違う、外のような中のような、空間がなんだか妙に落ち着くのです。

それぞれ手作りの焼き菓子を持ち寄って、フィーカをしながらおしゃべりし、外の雨もものともせず、午後３時から始まったフィーカは、この日夕方まで続きました。