ストックホルムの中心から、バスで20分程度のユールゴーデン島に『ローゼンダール.トレゴード』（以下、ローゼンダールと省略）という、5000ヘクタールもの広大な『庭』があります。

ローゼンダールがどんなところなのか、一言で説明するのは難しいのです。それは、誰でも自由に無料で入れる手入れの行き届いた庭であり、りんごの木の下のベンチに座って自由に読書やコーヒーを楽しめる場であり、ここを愛するガーデナーやバイオダイナミックの農法を研究する研修生の学習の畑でもあり、今やストックホルム市民だけではなく、世界中からの観光客が、スウェーデンでの自然との憩いを求めて集う場所なのです。

もともとローゼンダールは、王家の別荘として建てられたお城の庭でしたが今は財団がこの素晴らしい環境を管理し、市民に解放しています。

庭の敷地の中にはとても気持ちのよいカフェがあり、天然酵母の自家製パンも焼いています。ここで提供される食材はできる限りオーガニックにこだわり、温室や畑で穫れた野菜も使われています。だから、身体に優しくて美味しい！

オープン当時このカフェでシェフを努めていたMonika Ahlbergさんという女性は、その美貌とセンスで瞬く間に、スウェーデン人の憧れの存在に。そのライフスタイルやレシピが注目の的となり、何冊もの本を出版するなど大変な人気者となりました。今のスウェーデンのオーガニック.カフェブームはここから火がついたと言っても決して過言ではないのです。

北欧の夏の陽射しを浴びながらこの庭の中にいるだけで、誰もが優しく穏やかな気持ちになります。そして、スウェーデンの人たちの自然の愛し方、育み方を知ることができるのです。