スウェーデンのことをあまり知らない人でも、ノーベル基金を設立したアルフレッド.ノーベルのことなら、ご存知の方も多いでしょう。ノーベルは３兄弟だったのですが、油田の開発と石油産業の近代化を進めた『ノーベル兄弟石油生産会社』を立ち上げたことでも知られています。

この会社のマネージャーとして立ち働き、大成功を収めてお金持ちになったクヌット.ヘンリック.リトリンが、スウェーデンの故郷に建てた、古い邸宅が今はホテルとして利用されているというので、夫と共に出かけました。

のんびりとした風景の畑の中に、邸宅の名前が書かれた大きな門が現れ、その先の長い並木道を進んで行くと、スウェーデンの田舎には珍しい石造りの風格ある建物が現れました。ちなみに、スウェーデンの田舎で赤い木の外観の家の次によく見られるのは、黄色の建物です。これは、塗り壁や石造りの外壁を持つお金持ちの家の色合いを真似て、農家の人たちが、木の外壁を黄色に塗った名残りと言われています。

有名建築家によって、100年前に建てられたこの邸宅は、今見ればクラッシックな印象ですが、当時としてはとてもモダンな建物でした。中に入ってみると、中の吹き抜けも大きく天井も高く、インテリアも重厚で、いかにも邸宅といった雰囲気です。ホテルマンたちは気取った感じではなく、とてもフレンドリーで、そこはやはりスウェーデン的な気楽さで落ち着きます。

早めに着いたのですが、とにかく周りには観光するような場所も何もないので、庭を散歩するか、テラスでちょっとアルコールでも、ということになり、お天気が良い夏の日だったので、テラスでビールをいただきながら、のんびり本を読むことにしました。これぞ、大人の休日！リラックスしたひとときを楽しみました。

元々ホテル用の建物ではないので、泊まることの出来る部屋数も限られているため、宿泊客も少なく、かえってこじんまりと落ち着いて滞在することができました。普通のホテルに飽きた方には、邸宅ステイはおすすめかもしれません！