スウェーデンで過ごす夏休みには、目的のない旅に出て、ふと立ち寄った知らない田舎の町の観光案内所で、地図を手に入れ、カフェや工房などを訪ねるような小さな冒険をしています。昨年の夏もそんな旅の途中で、陶芸家の夫婦のアトリエを偶然に見つけました。

町の中心に近くの古い大きな家を自分たちで改造し、建物丸ごとアトリエショップ＆工房、として使用するだけではなく、町のアーティストたちの交流の場としても開かれている、自由な空気を感じる雰囲気でした。

庭がたっぷりと広く、ガーデンテーブルや椅子が所々に置かれ、常連客や近所の人や、友達のアーティスト、私たちのような新参者まで、勝手に座って休憩することが出来ます。

アトリエでお買い物をした人には、手作りのシナモンブレッドとコーヒーが無料でサービスされるという特典も、なんだかとてもスウェーデン的です。

アトリエの中を覗いてみると、作られている陶器はブルーを基調としたものが多く見られました。この薄くグレイがかったような優しいブルーは、スウェーデンの人たちが大好きな色合いです。ちょうど夫のママのお誕生日が近かったので、コーヒーが大好きな彼女のために、小さなソーサーも付いているマグカップをひとつ買いました。

ラッピングをお願いしている間、庭に座ってフィーカをしました。手作りのシナモンロールは素朴な味で、熱いコーヒーにぴったりでした。もし、私たちがこの町に住んで、こんなアトリエを持つとしたら…なんて妄想を、二人で語りながら、寄り道の夏の午後は過ぎていきました。