スウェーデンにはたくさんの教会があります。大きな石造りの教会から、小さな村にあるような木造の古い教会まで、誰にでも解放されているので無料で自由に見学ができます。

昨年田舎をドライブ中に休憩した村で、チャーミングな教会を見つけました。1638年に建築された、ウロコのような赤い外壁が特徴の木造の教会。

中に入ると、やはりドライブ途中に立ち寄ったらしい老夫婦や、家族連れがいて、この村に住んでいる協会員の男性がガイド役として、教会の内部の説明をしてくれていました。

この教会は、窓からの光の入り方や色使いが、クリスマスよりも北欧の夏が似合うような教会でした。建物はもちろんのこと、調度品はほとんど全てが木製でできていて、威厳があるというよりは、手作りのぬくもりを感じるような素朴な可愛らしさでした。

このような木造の教会は、当時石やレンガを使う予算がなかったために、やむ終えず一番身近な素材の木を使って建てられたという事情があります。

内装を仕上げをよく見てみると、本来、大理石を使いたかったのだろうなあ、という部分には、木の上に塗料で石風の模様を描いていたり、本物の金を使用するオブジェの部分には、木でこしらえた形のものに、やはり金色の塗装を施したりしています。しかも、それがよくできていて、遠目に見ると本物と見まがうほどなので、当時のアイデアと工夫に感動さえします。

天の神様を見あげて、最上級のものを捧げたいという人々の祈りの気持ちは、そんな細部にも宿っていることを感じさせてくれる、温かみのある教会でした。