何かにつけて段取りのよかったお義父さんは、生前から自分の墓石を既にオーダーしていて、家族は苦笑いしたものでした。家族が亡くなることは辛く悲しいことですが、私たちには同時に、たくさんの愛された時間と楽しかった記憶も残っています。時が経つにつれ想いを深めていくのは、涙の日々より笑い合った時間だと信じています。
スウェーデンには日本のように8月の『お盆』のような習慣や、お参りの決まった時期というのは、ありませんが、夏休みになると家族で集まる機会が多くなるので、そのような時に家族みんなでお墓へ祖先の「挨拶」へ行くことはよくあります。私と夫も夏はスウェーデンに帰省するので、その時に必ずお義父さんのお墓へ向います。
緑豊かな美しい公園のような墓地には、オークの木の枝にリスが走っていたり、季節の花が植えられていたりして、ふと心が和みます。
併設の大きな駐車場からは段差はなく墓地までバリアフリーで行けるのも便利です。亡くなった家族の魂は、墓地の中だけにとどまっているのではなく、むしろどこにいても思いを馳せた瞬間にそばに感じることができるものですが、墓前に立てば、また新たな思いで故人と向かい合う時間を与えられる気がします。 |