スウェーデンでは、アンティークの家具や雑貨を扱うお店がたくさんあります。散歩がてら、そんなお店の中をふらりと覗くのも、街歩きの楽しみの一つです。

スウェーデンの人たちは新しいものも取り入れるけれど、実は古いものも大好き。例えば、イケアで新しいインテリア雑貨を買っても、部屋をそればかりで統一するのではなく、古いものをバランスよくミックスするのがスウェーデンのスタイルです。 古いものはチャーミングだ、という発想が人々の暮らしに根付いているのです。

スウェーデンの人たちは、ものを大切に扱います。蚤の市で売られているリネン類などを見てもそれはよく分かります。古くても清潔に洗われて、丁寧にアイロンがかけてあり、手にとれば、新しいリネンを使うときのような清々しい気持ちになります。

100年以上前にデザインされた家具なら、塗装が剥げても、何度も新しく塗られ、磨かれ、丁寧にメンテナンスをして、新しい自分たちの家に迎え入れ、受け継がれていきます。そんな風にして、古いものは幼い頃からごく自然にスウェーデンの人たちの暮らしの中で愛着を持って育てられていくのです。

スウェーデンのアンティークショップに行けば、そんなものとの出会いがたくさんあって、とても嬉しくなります。今はもう作られることのない貴重なデザイン、長く人々の手を渡り、愛されてきたものたち。ものとの付き合い方を改めて考えさせられる気がします。