スウェーデンの人は、キャンドルが大好きです。キャンドルを使うのは、特別な日やシチュエーションに限りません。キャンドルは日常的に消費していくもの、彼らにとっては日用品です。

キャンドルはスウェーデンでは朝食のテーブルから登場し、すでに明かりが灯っています。暗い冬の朝はもちろん、夏でさえ、そしてホテルのビュッフェのダイニングでも。

食卓を準備するときに、キャンドルというのは絶対に欠かせないのです。テーブルに食事を運んで、取り皿やグラスやカトラリーを出して、そして、キャンドルに火を灯して。それからようやく食事の時間の始まりです。

私などはせっかちなので、さあ、熱々のうちに早く食べよう！と意気込んでテーブルに着くのですが、夫のキャンドルの儀式が一通り終わるまで、いつもひと呼吸、おあずけをさせられてしまうのです。

スウェーデンのキャンドルにもいろいろな種類がありますが、やはり質がいいのは教会などで使用されているような、スウェーデン製のブランドのものです。私の気に入っているブランドは『リリホメンズ』というメーカーで、これはスウェーデンのスーパーなら、どこでも売っています。

良いキャンドルは、黒いススが出にくく、減る速度がゆっくりで、炎の形もきれいです。筒状のキャンドルもよく使いますが、薄いアルミの小さな容器に入っているティンキャンドルも、万が一倒れたりする心配もなく、使い勝手も良いので定番です。また、お花や果物、バニラなど香りが楽しめるアロマ的なキャンドルも人気があります。

キャンドルのある生活というのは、なんだか時間がゆったりと流れるような気がします。お茶の時間、夜のひととき、そこにキャンドルの炎の揺らぎがあれば、より一層心が癒されます。スウェーデンの人たちのキャビネットの引き出しには、いつだってキャンドルのストックが欠かせないのです。