片づけ・収納について、もっと使いやすい仕組みを考えるため、ライフオーガーナイザー/整理収納アドバイザーの資格を取り、その後「ネコノテ 暮らしと収納研究室」を立ち上げました。この連載では、わが家の収納スペースやご依頼いただいた片付けの様子を例に、家事がスムーズになる収納づくりを考えていきたいと思っています。
「ネコノテ 暮らしと収納研究室」 暮らしの中の物と収納についてあれこれ小さなことから実践。整理収納サービスも行っています。 http://quarante11.exblog.jp/
前回、キッチンの収納についてのお悩みのヒアリングと現状の確認を行いました。今回は、恒例の「全部出す」を行ってから、より使いやすい収納になるように、片づけていきます。
リビングに広げたシートの上に台所にある物をすべて広げていきました。食品も食器も調理道具もとにかくすべてのものをシートの上に出して並べていきます。3人がかりの作業です。
すべての物が台所から出てきました。
一度すべての物を出してみて、どれだけの物を持っているのかをしっかり確認していただくこと、つまり「物の量を把握する」ことが定位置を決める前の大事な作業となります。
現状では、戸棚・引き出しの中で、分類されずに配置されていたため、出した物もいろいろな物が混ざり合って置かれています。大まかに分類しましょう。まず、食品と食品以外の物に分類してみます。
食品を分類してみると賞味期限が切れているものや同じ食品の買い置きが出てきました。
さらに食品以外の物を
・調理器具
・食器
・カトラリー
・保存容器
・水筒/お弁当
・製菓道具
・雑貨/小物
・布類
・パーティーグッズ
・ゴミ袋などの消耗品
・掃除道具
に分類していきます。
作業を始めてみるとAさんも「こんなところにあったんだ」、「こんな物持ってたんだ、忘れてた!」ということがよくありました。物を把握しきれない状態になってしまっていましたね。
使いやすいキッチンにするためには「自分が把握できる量だけの物を持つ」ことがポイントです。 そのため第一歩として「きちんと分類すること」がとても大事なのです!
さて、キッチンの中身すべて出して種類ごとに分類をしたAさん宅のキッチンですが、空っぽになった棚に戻す前にもう少し細かく分類をしてみます。
調理器具、食器、水筒・保存容器といった分類をしたものを、さらに「普段よく使うもの」、「あまり使わないもの」、「年に数回しか使わないもの」、「もう使わないもの」という使用頻度にAさん自身に分類していただきました。
それでは、空っぽの棚の中に物を戻していきます。
Aさんにとって一番使いやすい収納場所は(h)(i)(j)のカウンター下。「普段よく使う物」から順番に入れていきましょう。
毎日使う鍋やフライパンと使用頻度の高いお鍋とブレンダーを引き出し式の(i)にしまいます。これで散らばっていた出番の多い料理道具が一カ所にまとまりました。
下一段は、缶詰や瓶などの重いストック食材の収納にしました。
同じく使用頻度の高い調味料は、コンロ横の(g)に。調理中に使いやす場所です。
一カ所にまとまった上に、これまで様々な空き瓶に入れられていた砂糖、塩、ゴマ等も 引き出しの高さに合わせた瓶に統一して、見た目もすっきりしましたね。
カトラリーやキッチンツール、食事の際に使うお子様用の小さなタオルなどをまとめた布類、「毎日必ず使う細々したもの」も(h)(i)(j)の引き出しに配置しました。
中は細かいものを管理しやすい様に仕切りを追加。引き出しの一番上に毎日よく使うものを配置しておけば、お子さんが大きくなった時に配膳のお手伝いをしやすいと思います。
他の分類も使う頻度の高い順から取り出しやすい位置に。Aさんにとって吊り戸棚より使いやすい下の戸棚を埋めていきます。
次は吊り戸棚に。シンクすぐ上の吊り戸棚(b)にはこれまでたくさんの保存容器や水筒が入っていました。よく使う物もそうでない物も入っていたので分類をしていただきました。
よく使うものは白いカゴに入れて使いやすい場所に。出番の少ないものは一つ上の棚に配置をすることにしました。そして古くなっているものは思い切って処分へ。ご家族も戻しやすいようにラベルも貼りました。
残りの物も、使う頻度の高い物からより取り出しやすい位置に入れていきました。
整理したことで、食器棚の下の棚が空きました。ダイニングに回らないと取り出せない(k)には、ペットボトルやバーベキューグッズ、夏しか使わない大きな水筒、カセットコンロなど、ストック飲料など、重い物や普段使わない物の収納に向いています。
外に出ていたペットボトルや野菜が中に収まったことにより、空いたスペースには、これまでリビングの真ん中に置かれて動線を邪魔していたゴミ箱を置きました。リビング全体もこれまでより広く、すっきりとした空間になりました。
さて、一番お困りだったカウンターキッチンに乗せられていた棚ですが、棚の中にあった物の置き場所が決まった結果、無事に撤去することができました。
棚がなくなりカウンターが片付いたことによりキッチンがとてもすっきりした印象を受けます。キッチンからも部屋全体が見渡せるようになり調理作業中でも小さいお子様の様子が分かりやすくなりました。
今回はキッチン全体の大掛かりな作業となりましたが、ひとつひとつ物を分類して定位置を決めて行ったので、次回整理が必要になった際や、新たに物が増えた際には必要なカ所だけ「分類して定位置を決める」という作業をすれば片付いた使いやすい状態はキープできると思います。
使いやすいキッチンの仕組み、つまり必要なものが取り出しやすく、戻しやすい状態になったことで家事の時短につながります。
特にこれまで置き場所が定まらずに分散化していた食品の置き場所を決めたことにより調理をする際はもちろん、買い物した後に食材を置く際の時間が短縮されるのではないかと思います。お忙しいAさんの毎日の少しでもお助けになれば嬉しいです。
〜実践から1カ月、Aさんに感想をお聞きしました!〜
Q1:使い勝手はどうですか?
Aさん: 食品や調理器具を1カ所にまとまったことで、使いやすくなったと思います。取り出し、戻しやすくなりました。
食器棚の下段に入れていたランチョンマットは、来客の時にしか使っていなかったのですが、布類としてまとめて、カウンターの引き出しにしまったので、普段も使うようになったんです。取り出しやすいところにしまってよかったです。
Q2:あれから物は増えていませんか?カウンターにまた、棚を追加されたてませんか?
Aさん:今のところ大丈夫です(笑)。まだ戸棚の中に物が入りますから。収納に余裕があると、心にも余裕がでますね。将来、これ以上物が増えたらどうしよう、どこにしまおう…と不安だったので、まだ物が増えても大丈夫、と心に余裕ができました。でもできるだけこの余裕のある状態をキープしたいと思います。
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