片づけ・収納について、もっと使いやすい仕組みを考えるため、ライフオーガーナイザー/整理収納アドバイザーの資格を取り、その後「ネコノテ 暮らしと収納研究室」を立ち上げました。この連載では、わが家の収納スペースやご依頼いただいた片付けの様子を例に、家事がスムーズになる収納づくりを考えていきたいと思っています。
「ネコノテ 暮らしと収納研究室」 暮らしの中の物と収納についてあれこれ小さなことから実践。整理収納サービスも行っています。 http://quarante11.exblog.jp/
はじめまして。ライフオーガナイザーのさわ のりこです。 私はもともと片づけが得意ではありませんでした。子どもが生まれても共働きで仕事を続け、食事は気を付けても掃除や片づけは見ないふりで生活をしていました。週末にまとめて片づけて掃除をするため、平日は家の中は荒れ放題…。
ですがあるとき、思い立って冷蔵庫の片づけをしてみたところ、今まで「取り出しにくい」・「入らない」・「探しにくい」と思っていた問題点が一気に解決され、とてもスムーズにキッチンに立てるようになったのです。
これをきっかけに、片付いていればイライラすることがなく、忙しくても段取り良く生活することができるのではないかと考え始め、家のあちこちの片づけを少しずつ進めていきました。
今では自分がイライラしなくてもいい仕組みが出来上がって、快適に暮らせています。この連載では、わたしのように片づけが得意でなくても、毎日が忙しくても、「小さいところを見直すこと」から始める片づけ・収納方法をお伝えしていきたいと思います。
第1回目は「食器棚」の収納がテーマです。
食器棚を開けてみたら、食器がたくさん詰まっていて使いにくいと思うことはありませんか?
食器棚がいっぱいで使う食器を出すのも、洗った食器を戻すのも億劫、となると料理自体が面倒になりますね。料理をする度に、後片付けをする度に使う食器棚がすっきりすれば、キッチンは今よりもずっと使いやすく快適になります。
わが家の食器棚は大工さんに作り付けてもらいました。食器がたくさん入ること、オーブンレンジが置けること、炊飯器が置けること、ごみ箱も置けることが条件でした。決して広いとは言えないキッチンなので、なるべくたくさんの物が入るようにと設計しました。
でも住み始めて10年近くたってくると使いにくいと感じるようになってきたのです。
まずは、思い切って食器棚の整理をするべく中身を一度全部外に出してみましょう。
これまでにも何度か使わない食器を処分したりしてきたつもりでしたが、取り出してみると結構な量の食器がありました。この作業は一旦やり始めると元には戻れないので最初はちょっと勇気が要りますが、すべての物の量を把握するためにはとても大切な作業です。
中身を全て出したら分類をしていきます。
今回は
(1)よく使う食器
(2)たまにしか使わないけど必要な食器…グラタン皿、どんぶりなど
(3)めったに使わない…来客用・製菓道具
(4)使わない(手放す)
の4つに分類をしました。
分類をするときに本当に自分が好きでよく使うものとそうでないものをしっかり把握することがポイントです。私は子どもが生まれる前に使っていた2セットしかない食器は手放すことにしました。そして、「もったいないから」と奥にしまっていた食器は思い切って普段使いにすることにして、そんなに気に入ってないのに普段使いにしていた食器は手放すことにしました。
大事な食器はしまっていて、好みではない食器を毎日使っているなんて、本当はそのほうがもったいない気がしたからです。
使いにくいと感じいていた点は、奥行きと高さです。この食器棚のサイズは横幅114cmx奥行き40cmx高さ90cmあり、奥行きがありすぎてたくさん物を入れてしまうと奥にあるものを出したり戻したりする際に手前の物をいちいち取り出さないといけません。
違う種類の食器同士を重ねていると下の物を取るときに動かさないといけないし、ガチャガチャやっていると割れないかしらと心配になります。奥行きは30pあれば普段使いするディナー皿(直径約28p)も収納することができ、それ以外の茶碗・小皿・カップ類・カトラリー類も収めることが出来ます。
わが家の食器棚はそれより10cm大きい奥行き40pありますが、実際には奥の物を取りだすのにひと手間が必要だということを使ってみて初めて実感しました。
さらに天井まで届く収納力抜群の食器棚だと思いましたが、背の低い私はその度に台に上ってから出し入れをしなければならずとても面倒に感じてしまいます。
わが家の食器棚は食器が溢れることなく収納量は足りていますが、食器収納の下も見てみましょう。
引っ越しをする際に既製品の食器棚をずいぶん探しましたが、これだと思ったものに出会えず大工さんにお願いすることになりました。どうしても譲れなかった点は「ごみ箱置き場」です。市販されている食器棚を置くとごみ箱を置く場所がないことが多いです。それほど広くないキッチンでは、ごみ箱だけが飛び出てしまいます。そこでごみ箱も一緒における一体型の食器棚をお願いしました。
ごみ箱も、ホームベーカリーもトースターも置けてすっきり快適食器棚なのですが…難点が1つ。それは当時持っていたオーブンレンジに合わせて棚の高さを設計したために、それ以上の高さのオーブンレンジが置けないことです。
結婚当初に買ったオーブンレンジは高さ約33cm。それに合わせて設計したので棚の高さが35cmしかありません。
最近のスチーム機能の付いた素晴らしいオーブンレンジは高さが37〜39cmあるのでこの食器棚には置けないのです。一体型の食器棚であるがゆえに今さら変更することもできず悔やまれる点です。家電に関しては、実際のサイズよりもう少し余裕を持たせておくか、可動棚にしておくと将来の買い換えにも対応できますね。
中身を全て出した食器棚をじっくり眺めてみて、どこに何を置けば使いやすいかを考えてみます。
これまでは自分の身長に合わせて「低い位置=下から2〜3段がベストポジション」だと思っていて、手前にも奥にもよく使う食器を配置していましたが、結局奥の物を出す時に前の物をどかす手間がかかるので使いにくいことが判りました。
そこで、「多少手を伸ばす必要があっても手前がベストポジション」という認識でよく使う食器はすべて手前に配置に変更します。
(1)本当によく使う食器は手の届く範囲の手前
(2)たまにしか使わないけど必要な食器は手前の上段、もしくは下段の奥
(3)めったに使わない食器は上段の奥・製菓用品は最上段
という配置です。
よく使う食器は、違う種類同士を重ねてしまうと取り出しにくくなります。1段に1種類ずつ置けるように、棚板を1枚追加しました。もともとこの食器棚に付いていたけど取り外していたものです。
食器棚はお皿の高さに合わせて棚板の調節ができたら理想的ですが、できない場合は縦のスペースを無駄にしないためにキッチングッズを上手く使うのもおすすめです。
来客用のグラスは上段の奥にしまってありました。 今思うとちょっと信じられませんが、以前は台に上って、前にあるお皿をどけて、奥にあるコップを一つ一つ取り出して下にいる人に手渡していました。この光景を見たお客さんは結構ビックリします。
それを解決するためにグラスやコップは無印良品の整理ボックスに入れてみたらスッと取り出せるようになりました。これなら上段に収納していますが奥行きを生かしてスペースが無駄にならないし、取り出すのも苦になりません。
わが家の食器棚には引き出し収納がありません。そのためにお箸やナイフ・フォークといったカトラリー類の収納は無印良品の整理ボックスに入れています。お箸、ナイフ・フォーク・スプーン、バターナイフやしゃもじを入れておくのにそれぞれ1つずつを下段のベストポジションに置いています。
食事の際はお箸ケースごと食卓に持って行って並べればいいので結構便利です。それ以外の来客用のカトラリーやワインの栓抜き、関西人の家には必ずあるお好み焼きのコテなど細々した「引き出しがあった入れたいキッチンツール」は上段に置いて必要な時だけ取り出すようにしています。
キッチンの食器棚に引き出しを設計しなくてもこのようなアイデアで便利に収納することができます。
中身を全部出して戻した結果はこんな感じになりました。 たくさん重なっていた食器が1種類ずつになって見た目もすっきりです。洗い終わった後の食器を戻す時間も短縮されました。普段使う食器はすべて手前に並んでいるので奥のほうにある物を取り出すイライラは軽減です。
いかがでしたでしょうか?
たくさん食器があるお宅でも普段よく使う食器を絞って使いやすい位置に配置することで使いやすさは格段にアップします。小さなことですが、出しやすく・しまいやすくなるだけで家事のやる気も違ってくると思います。そしてきれいに並んだ食器棚を見てウットリ!
これも大事なポイントです。
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