vol.1 芸術の国、フランスの間取り-イエマガ

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モダンなものから重厚なものまでたくさんの間取りの中で、フランスの間取りについてのわたしの感想は、ひとことでいって、「わがまま」です。「欲張り」と言ってもいいでしょう。

新しい間取りほど、すべての要素を妥協せずに盛り込もうという努力が見えます。だから、ぱっと見にはどうなってるの？と感じる複雑さ。

でもよーく見ると「なるほどね！」「それでこの壁があるのか…」と。

次にフランス人の願望をうまく（？）盛り込んだ間取りをご紹介します。見どころのポイントも付記していますので、合わせてご覧ください。
予算、耐震、構造については横に置いておくと、とりあえず「いいね」と思える「間取りアイテム」がいっぱいです。

動線を重視している間取り
一見、扉だらけに見えますが、じっと見てると…ファミリー全員にとって使いやすいように考えられていて、それぞれが間取りを歩き回る生活風景が見えてきます。
1 人気の衣類収納プラン。ウォークインの向こうにバスルーム。
2 「プライベート」「ファミリー」とゾーンをはっきりと分けるのは、フランスのメジャーなプラン。ちょっと不思議な配置になことも…。
3 キッチンの動線は３方向に通り抜けられるようになっている。
4 バルコニーの配置も考えつくした結果か…。キッチンからとリビングからの動線重視で配置。
5 最初にご紹介した「セラーを通ってキッチンへ」のプラン。
6 レジャールームって…恐らくプレイルームのような来客などにメインで使う部屋のことだと思います。ここでも来客、プライペー、ファミリーとゾーンをうまく区切ることに挑戦している。

じゃじゃ～ん！超豪華、湖近くの高級住宅街の間取り
上の間取りにない「立体感」も含まれた家。光と中世教会風を実現したシンメトリーな優雅な間取り。
1 ポーチから出入りできるこの寝室だけみると、海辺のリゾート風。
2 壁の斜めを多用し、廊下が回廊に見える（もしくは奥行きが出るように見える）。
3 こちらの間取りも個人の「プライベートゾーンはきっちりと区別して配置。
4 玄関は明らかに外観を意識したために凸凹の配置にしたのでは？　お城のように塔を組み合わせた立体感が目指すところでは。
5 さすが豪邸。セラーとパントリーを兼ねる、または地下室を造って保存するパターンが多いのでパントリーもあるのは珍しい間取りです。
6 この凸の窓をシンメトリーに配置。より重厚感を演出。
7 アトリウム…別名「内部公開空地」。光が通る空間です。