前項のガーデナーたちが提唱した考えが顕著に表れた庭は「コテージ・ガーデン」と呼ばれ、その後もひとつのス タイルとして定着しています。

「コテージ」つまり「農家の家」にある、自生する植物を中心に緑で覆われ、自然の中で成長する姿を観察して楽しむことができる庭です。

イギリスのガーデニングは、植物を決まった配置に定植して線上に並べた完成型を楽しむことではありません。

あくまでも、季節または土地によって違う姿をみせる自然の生命力を感じ、ダイナミックかつ、繊細に多種の植物が織りなす色彩、フォルム、質感（マット感や艶等）を体感することが目的なのです。

もちろん、これは手入れをしないというスタイルではありません。むしろ、どんなフォルムで育っていくかなどをつぶさに観察し、花がら摘みや剪定等に時間を惜しみなくかける人が楽しむ庭なのです。